アルバム「ハッピーエンドへの期待は」の完成度、「なんでもないよ、」がストリーミングにおいてロングヒットを続けるマカロニえんぴつ。
そんな彼らの今を感じさせる4曲を楽しめました。全曲マカえんらしさ全開なのは素晴らしいなと。
1.たましいの居場所
爽やかで明るいけど味わい深さを感じさせるメロディ、鋭いギターサウンドが効いたロックナンバー。
マカえんらしい違和感のない転調とピアノの音色を活かした楽曲は安定の良さがあります。
全体的に漂う爽やかさとサビの良質なJ-POP味を感じさせる味わい深いメロディも相まって、聞き手の心をしっかり掴む曲になっているのはお見事というべきか。
ロックバンドらしくギターサウンドの鋭さを押し出したサウンドアプローチにも注目して聞いてほしいところ。
先の見えない未来でもワクワク感を持って生きたいと歌った歌詞も印象的。
昨今の世界的な情勢、経済情勢は見ていると不安に苛まれてしまいそうだけど、そんな時でもワクワクする気持ちは持ち続けていたいー。
鋭くエッジの効いたギターサウンドとピアノの爽やかなフレーズがその前向きさを増幅させているようでした。
明るさを感じさせるメロディ、歌詞は必聴です。
2.星が泳ぐ
ギターとピアノが絡み合うサウンドやマカえんらしい転調を繰り返す構成、サビの美しいメロディに引き込まれるロックナンバー。
やるせなさを歌った歌詞とエネルギッシュだけど作り込まれた楽曲は見事にマッチしている印象。
2番目のAメロで落ち着いたピアノの音色を加えることで微妙に雰囲気を変えてきたり、間奏後のCメロに転調を入れてくるなど印象に残る箇所があります。
このEPに収録されている4曲の中ではシンプルにストレートな曲であるものの、君がいないことに対するやるせなさを歌った歌詞のメッセージをしっかりと伝えてくれました。
3.街中華☆超愛
マカロニえんぴつと言えば大胆でありながら違和感のない転調をさらっと入れてくるのが魅力だと感じているんですが。
この「街中華☆超愛」は、その魅力を楽曲全体で表現した非常にトリッキーさを感じさせるロックナンバー。
ロックバンドらしいカッコよさに満ちたギターサウンドはもちろん、中国語を意識した言葉で街中華への愛を歌い上げた歌詞が印象的。
一見するとコミカルなナンバーに感じられるんだけど、ノイジーなギターサウンドや攻めたメロディによってすごく聞き応えのある1曲に仕上がりました。
目まぐるしく変化する曲調、一つ一つの音のフレーズの存在感はまるでインストナンバーを聞いているかのような感覚を味わえます。
4.僕らは夢の中
フォークミュージックの持つ哀愁をイメージした素朴なメロディが心に響くミディアムナンバー。
自分たちがロックバンドを結成して音楽と向き合う意味は何か、それを歌いつつ両親に対する想いを歌った歌詞はどこか暖かさを感じずにいられません。
特に、サビのメロディが素朴で優しい仕上がりなんですよね。
シンガロングしたくなるほどの魅力があると言いますか、聞いているだけで心に染み渡ってきました。
まとめ
大胆な転調や楽曲の存在感はもちろん、優しさも感じさせてくれた今回のEP。
アルバムで表現したマカえんらしさをさらに凝縮した1枚となりました。