LADY/米津玄師 -シンプルに恋がしたい-
春分の日となる3月21日、米津玄師さんの「LADY」が配信リリースされました。
少し前からインスタやTwitterの投稿で新曲が出そうな予感はしていましたが、思わぬリリースは嬉しいものですね。
今の季節にピッタリな、思わず恋をしたくなるような暖かさに満ちた良質のポップスが誕生しました。
・LADY(ジョージア新CMソング)
この恋が続こうと、または終わりを迎えたとしても日々は刻むー。
そんな営みを春らしいゆったりとしたメロディに載せて歌ったポップナンバー。
ホーンサウンドなどの華やかな音色とピアノの奏でるメロディラインがシンプルに心地よく、春の爽やかさを感じさせてくれます。
素直に恋をしてみたいという感情を歌った歌詞がそのような印象を抱かせてくれるのでしょうか。
それもあり、軽やかなリズムに乗っかる米津玄師さんの歌唱は恋をして前向きになった心を表現しているかのよう。
一方で二番からCメロにかけての展開では、恋をしていく中で起こる心の揺れ動きを表現しているのです。
同じメロディを維持しながらも、効果的に入ってくるグロッケンの音色やギターフレーズがこれから先に起こるかもしれない別れや相手に対する不信感の表れを描いていて。
歌詞ではそのことをシンプルに歌っているんだけど、サウンド面では緻密な表現をしていて実に見事です。
特に、Cメロの転調は曲の空気を変えるほど大胆。
それを表すかのように不安定になった心を歌い上げているんですよね。
本当は愛してほしいのに、思ってもない気持ちが出てきたり素直じゃない行動をしてみようとしたり・・・
米津さんらしい展開だなと感じると同時に、その凄さを改めて感じずにいられません。
ラストサビは「恋をしたい」自分の気持ちと素直に向き合い、それを感じさせる歌唱の変化も印象的。
力強く歌い上げることでシンプルに恋をしたい気持ちが聞き手にも伝わるのではないでしょうか。
心に起こる変化も受け入れた上でどこまでもストレート、真っ直ぐに恋したい気持ちを歌い上げた、米津さんなりの不器用さも出たラブソングです。