米津玄師「STRAY SHEEP」 -迷いながらでもいい、前に進んでいく-
コロナ流行で先行きが不透明な時代でも前に進み続けたい。
迷いながらも歩みを止めない、そんな人々の力強さも感じさせる一枚です。
- 全体的な感想
前作「BOOTLEG」から約2年9ヵ月ぶりとなるニューアルバム「STRAY SHEEP」。
祖父の死と向き合って生まれた「Lemon」から制作がスタートし、コロナ禍での楽曲制作を経て完成したとインタビューで語られた本作。
そんな経緯もあってか、先行きが不透明なこの時代でも前向きに進もうと模索する人々の姿が描かれています。
全体的にスロー~ミドルテンポの楽曲が多めとなっているものの、米津さんらしい音のギミックは満載で退屈させない作りになっている印象。
どの曲も必ず引き込まれる箇所があって聞くたびに新しい発見があるんですよね。
一回聞いただけでは全てを理解するのが難しいアルバムって色々あると思うんですが、本作もそれに該当するように感じました。
ただ、それがいい方向に作用しているのが見事。
何回も聞かせるようになっていることでアルバム全体に込められた「模索しながらも前に進みたい」って想いがしっかりと伝わってくるんです。
明るめの曲が少なめになっているのもタイトルの「迷える羊」を表現していると同時に、迷いながらも進み続けるってメッセージを増幅させているようで。
コロナ禍の時代だからこそ、聞いておくべきアルバムと言えるでしょう。
- まとめ
ミドルテンポ中心の楽曲と力強さを感じさせる歌詞で模索しながら進む人々の想いを表現した1枚となりました。
コロナ禍の想像を超える厳しい状況に諦めそうになるけど、それでも進んでいくしかないんですよね。
自分に出来ることを少しずつやっていこう、そんなメッセージも感じずにいられません。
米津さんらしい音の作りで聞き手を楽しませることも忘れない、2020年の名盤と言えるアルバムの誕生です。
STRAY SHEEP - Album by Kenshi Yonezu | Spotify
- アーティスト:米津玄師
- 発売日: 2020/08/05
- メディア: CD