当たり前の日常がいかに大切かー。
今の彼らが自然体で鳴らすサウンド、日常に寄り添った歌詞にいろいろと考えさせられる1枚でした。
気合の入ったフレーズなど、音の良さは今までで一番ではないでしょうか。
・全体的な感想
コロナ禍の2020年に発表されたミスチルのニューアルバム「SOUNDTRACKS」。
タイトルが「サウンドトラック」というだけあり、全ての人々に寄り添うような優しさを持った一枚となりました。
他の人と食事をして話したり、休みの日には外出したり・・・
前までは普通に出来ていたことがコロナの流行で難しくなってしまいました。
2020年は当たり前の日常が失われてしまったわけですが。
本作はそのような日常の大切さや尊さを歌ったメッセージ性の強い作風となっています。
歌詞に込められたメッセージがそれを物語っているんじゃないでしょうか。
大切な人を愛したり、身近な人の誕生日を祝ったり・・・
ありきたりな歌詞ではあるんですが、コロナ禍の2020年に発表されたアルバムでそれを伝えていることに意味があるんじゃないかなと。
コロナによって日常の光景が失われてしまったからこそ、そういう時間を大切にしていきたいー。
シンプルに分かりやすい言葉で日常の大切さを伝えているアルバムだなと感じました。
楽曲の完成度もポイント。
コバタケから離れて自由に音楽を奏でる今のミスチルらしくどこか吹っ切れています。
壮大さを感じるナンバー(「Documentary film」、「Bland new planet」など)は今までもあったんだけど、ストリングスではなくバンドサウンドの強靭さで表現しているのが素晴らしい。
ギターソロからカッコよさを感じたりと、一つ一つの音に気合が入っているなと思うんですよね。
リラックスして奏でているからこそ、自由度の高い楽曲が生まれたのでしょう。
45分と短めの構成もあって、ロックバンド・ミスチルの存在感を改めて実感せずにいられません。
分かりやすい歌詞で当たり前の日常がどれだけ大切かを伝えてくれる「SOUNDTRACKS」。
シンプルさを突き詰めた作風で派手さはないものの、アルバム全体で我々の日常に寄り添ってくれる1枚だなと。