高知の片隅でひっそりとJ-POPを語る

高知から音楽(J-POPメイン) やアニメなど、好きなものへの愛を語っていきます。

2022年上半期ベストソング20

2月後半から続くロシアによるウクライナへの軍事侵攻、記録的な円安ドル高、食品類や燃料など様々なものが値上がりしたり…

いろんなことが起こりすぎて心が落ち着かないまま過ぎ去った2022年上半期ですが、それでもいい音楽には出会えているなと思ってまして。

毎年恒例となる上半期の振り返り、今年も20曲を選びました。

本当はアルバムも決めたかったのだけど、そこまで聞き込めてなかったために断念。

 

というわけで、2022年上半期のベストソング20曲をどうぞ。

 

2022年上半期ベストソング20

・ミックスナッツ/Official髭男dism

木の実(ナッツ類)の中に混じるピーナッツ(落花生)の気持ちを少数派でも生きていく人々に重ねて描いた歌詞が現時点で今年一番のメッセージ性を感じさせる1曲。

周りと違う考えや存在だとしても生きていくしかないー、そんな中でも力強く前向きに進む想いを感じとれるのが本当に素晴らしいんですよね。

 

楽曲面も秀逸と言える仕上がりで。

スリリングでジャジーなイントロのワクワク感から品を感じさせる落ち着いたAメロ、少しテンポアップしてテクニカルな演奏を押し出したBメロ、そして分かりやすく真っ直ぐなメロディがキャッチーなサビ。

ラストまで心を掴んで離さない楽曲構成は現時点で2022年の個人的ベストソングと言っても差し支えないほどです。

ミックスナッツ - song by Official HIGE DANdism | Spotify

 

・まつり/藤井 風

恐らく、世の中の皆さんが「まつり」というタイトルで真っ先に思い浮かべる曲と言えば、北島三郎氏の代表曲「まつり」ではないでしょうか。

北島氏のこぶしを効かせた歌唱とお祭りらしく力強いリズムが心を震わせる、これぞ日本って風景をイメージした名曲なんですけど…

 

私は藤井風さんのアルバムリード曲が「まつり」というタイトルになることを知った時にこう思ったんですよね。

北島三郎さんの名曲と同じタイトル… どんな感じになるんだろう?」

藤井風さんのセンスが炸裂して未知なる曲を聞けるワクワク感と和風色が強すぎて逆に馴染まない曲になるのではという不安…

先行配信がスタートするまで、この2つの感情が心にありました。

 

そして迎えた3月21日の配信スタート。

アルバムはフラゲする予定だったので、仕事が終わってすぐにSpotifyへアクセスして聞くことに。

真っ先に耳に入って来たのは和の心を感じさせる美しいイントロ、そして祭り囃子をイメージした笛の音色とR&Bのリズム…

一番の聞き所であるサビは「まつり~」とリズミカルにリフレインするフレーズが心地よくて耳から離れず、気が付けば口ずさむほど。

 

歌詞も印象的なフレーズが多くて。

「で、一体何が欲しいわけ」と今以上にいろんなものを求めようとする人々には今の幸せを改めて大切にしようと問いかけ、「まとめてかかってきなさい」と歌うことで全てを受け入れる包容力と藤井風自身が持つ余裕を見せつける…

 

何が言いたいのかというと、藤井風さんの「まつり」はそのタイトルに恥じない新たな名曲ってことです。

和の要素とR&Bを融合させた、一周回って新しいポップミュージックは必聴。

まつり - song by Fujii Kaze | Spotify

 

ダンスホール/Mrs. GREEN APPLE

この世界はダンスホール、そこで生きる主人公は君自身。

だから主体的に楽しむ気持ちで生きていこうー。

我々が生きる世界をダンスホールに見立てたことで聞く人全てが主人公として歌詞のメッセージを受け止めることが出来る・・・

どんな人の背中でもしっかり押してくれる応援ソングが誕生しました。

この世に生まれた命はいつか終わりを迎えるわけだけど、それならば全力で楽しんでみた方がきっと楽しいはず。

人間関係の難しさや困難に直面するのが人生なので辛いこともあるんでしょうけど、それでも楽しむ気持ちを持ってほしい・・・

ダンスミュージックにも通ずるリズムの良さを重視した楽曲の明るさ・軽快さと相まって、すごく前向きなエネルギーに満ちた1曲です。

今年から活動再開したバンドの前向きさも同時に感じさせてくれたのが素晴らしい。

ダンスホール - song by Mrs. GREEN APPLE | Spotify

 

・ミスター/YOASOBI

小説を題材にして新たな音楽を作り上げる音楽ユニットのYOASOBI。

これまでもラストサビで半音上がる構成など、王道のJ-POPを意識した曲作りが得意だなと思っていました。

 

しかし、この「ミスター」はそれをさらに突き詰めてきたなと。

何と言っても、80~90年代シティポップの雰囲気を感じさせるメロディとサウンドが洗練されたポップナンバーに仕上がっているんですよね。

ドラムの程よいリズムとリバーブ感は80年~90年代シティポップを彷彿とさせるかのよう。

ikuraの歌唱は相変わらずあどけなさを感じさせるけど、曲の雰囲気が違うだけでこんなにも惹きつけられるのかと実感。

しっかりと聞かせてくれました。
ミスター - song by YOASOBI | Spotify

 

・M八七/米津玄師

かつて「ピースサイン」という曲でヒーローになりたい気持ちを歌った米津玄師。

あれから5年、新曲の「M八七」で強いヒーローだからこそ感じる痛みを見事に描いてくれました。

楽曲は壮大で美しいメロディと力強くも優しさを感じさせるビートが背中を押してくれるポップナンバーなんですけど。

ヒーローの強さを「痛みを知るただ一人であれ」と表現することで、ヒーローの強さとみんなのために戦う存在だからこそ感じる心の痛みを表現しているのです。

痛みがわかるからこそ、誰にでも寄り添える・・・

米津さんなりのヒーロー像がこの曲で明確になったのではないでしょうか。

自然な感じに転調する2番のBメロから間奏~Cメロへの流れも見事だし、変わらない米津節にも注目して聞いてほしいところ。
M八七 - song by Kenshi Yonezu | Spotify

 

・Rock The World/[Alexandros]

人は困難を乗り越えることで強くなれるー。

ドロスらしいメッセージの強さで一生懸命になることの素晴らしさを歌った歌詞が背中を押してくれるロックナンバーとなりました。

ストレートなギターサウンドとピアノが織り成すメロディは爽やかでありながら、シンプルな良さがあります。

王道のギターロックでありながら、ドロスらしい演奏のキレも楽しめる・・・

やっぱりドロスの曲はこうでなければ! 改めてその素晴らしさを感じさせてくれました。
Rock The World - song by [Alexandros] | Spotify

 

・あの夏空へ/kareru

ここ最近、二人組の音楽ユニットからグッと来る夏歌が生まれているなと感じます。

昨年はなかったものの、2020年のYOASOBI「あの夢をなぞって」、ヨルシカの「花に亡霊」・・・

二曲とも夏の儚さを上手く描いているなと感じるんですけど。

今年はどうなんだろうと思っていたところ、その流れを汲んでいるなと感じる夏歌が出てきました。

 

それがkareruという音楽ユニットによる「あの夏空へ」という曲なんです。

夏の青空から感じる爽やかさを表現したシンプルなギターロックナンバーとなっていて、分かりやすいメロディに引き込まれる仕上がりで。

メロディの疾走感やサウンドの雰囲気はありがちなものの、夏という季節を表現しているのが素晴らしい。

ginkaの美しく儚げな歌声と爽やかさに振り切ったメロディは夏の眩しさから儚さまで余すことなく表現していると言えます。

そんなわけで、2022年の夏歌で一番好きな曲となりました。

あの夏空へ - song by kareru | Spotify

 

・喜劇/星野源

星野源さんの曲で家族をテーマにしたものと言えば、2017年リリースの「Family Song」がありますが・・・

今回の「喜劇」もその流れを意識した心が暖まるポップソングだと感じました。

一つ違うのは、洋楽テイストやR&Bの落ち着いたリズムを取り入れたことで洗練されたポップスに仕上がっていることでしょうか。

最近の星野源さんらしくDAWによる打ち込みサウンド主体でありながら、暖かみを感じさせる曲になっているんですよね。

結婚を経たからこその視点で描かれた歌詞はより深みを増した印象です。

過去の曲をより深めた形にしているのが見事だなと。

喜劇 - song by Gen Hoshino | Spotify

 

・Somebody/SOMETIME'S

良質のポップミュージックを奏でる男性二人組の音楽ユニット・SOMETIME'S。

彼らのアップナンバーは聞いているとどこかワクワクする感覚を味わえるのがポイントだと思ってまして。

この曲もイントロからそんな感覚に陥らせてくれたんですよね。

ギターサウンドの爽やかなメロディ、それを引き立てるホーンアレンジが印象的なポップナンバーで程よいテンポがそれを増幅させている印象。

特に、サビの軽快さは曲の晴れやかさをこれでもかと感じさせてくれます。

間奏における電子音の閉塞感から解放感たっぷりな展開に変わる瞬間は圧巻で、爽やかなメロディがより際立つなと。

熱量のあるボーカルとそれに絡むコーラスの爽やかさといい、先行き不明な時代だからこそ聞いてほしい1曲です。

Somebody - song by SOMETIME'S | Spotify

 

桃源郷/yama

謡曲テイストを感じさせるブルージーなメロディとyamaのクールな歌唱が印象的なポップナンバー。

どこか懐かしい雰囲気を感じさせるだけでなく、yamaの歌唱にある魅力もしっかりと伝えているのがポイント。

歌唱の魅力とメロディの存在感に引き込まれる1曲です。

桃源郷 - song by yama | Spotify

 

単焦点/Penthouse

クラシック的で穏やかなイントロ、全体に渡ってジャジーなメロディがオシャレさを感じさせるミドルナンバー。

男女ボーカルのハーモニー、洗練されたピアノの音色に心を奪われる仕上がり。

ジャズを意識した間奏の雰囲気も素晴らしく、一種の芸術作品を聞いているかのよう。

J-POPという枠にとらわれず、自分なりに音楽を追求して聞かせる曲を作りたい気持ちが伺えました。

単焦点 - song by Penthouse | Spotify

 

・わたし/SixTONES

ピアノのシックな音色を軸にした美しいメロディとそれに乗っかる6人の歌唱が圧倒的なバラードナンバー。

落ち着きと色気を感じさせる歌唱は聞き手をしっかり惹き付ける魅力があります。

いつもより6人の歌声を活かした仕上がりになっているのが見事。

彼らとしては今までにない雰囲気の楽曲に、私の心がありえないくらいに奪われてしまいました。

いい意味でジャニーズとは言わせない、そんな決意も感じずにいられません。

SixTONES – わたし [YouTube ver.] / Watashi [YouTube ver.] - YouTube


・It's All About You(feat.SIRUP)/Ovall

爽やかさを感じさせるギターサウンド、軽やかなビートの心地よさが非常にリズミカルなポップナンバー。

オシャレなトラックに乗っかるSIRUPのボーカルは存在感があって、曲の魅力を最大限に引き出しています。

間奏で聞かせるピアノとギターによる演奏もジャケットの夕日をイメージさせてくれるかのよう。

心地よいリフのギターと相まって、素晴らしいグルーヴ感を持った1曲です。

身を委ねていたくなるほどの心地よさがたまりません。

It's all about you - song by Ovall, SIRUP | Spotify

 

・Space Traveler/TAIKING

シンセサウンドの浮遊感、軽やかなリズムによるグルーヴが宇宙空間をイメージさせるポップナンバー。

シティポップのようなオシャレ感を持たせながら、キャッチーさに満ちたメロディは心地よく聞きやすい仕上がり。

伸びやかなギターサウンドから感じる開放感もあって、夜のドライブで流すと雰囲気が増しそうです。

Space Traveler - song by TAIKING | Spotify

 

・PINK/キタニタツヤ

スリリングでスタイリッシュなメロディのカッコよさが印象的なアップナンバー。

鮮やかなピンク色の桜をテーマにした歌詞なんだけど、その実態は狂気に満ちた内容になっているんですよね。

「あの樹の下には×××が埋まっている!」や「あんたの中身のピンクを眺めていたい」など、今までの桜ソングにおける常識をいい意味でぶち壊しています。

どことなく感じるスリリングさがその世界観とすごくマッチしているなと。

3分に満たない曲でありながら、心にしっかりと爪痕を残してくれた1曲です。

PINK - song by キタニタツヤ | Spotify

 

・Grow Old With Me/SHE'S

多幸感に満ち溢れた軽やかなピアノのメロディ、爽やかさを感じさせるホーンサウンドが印象的なポップナンバー。

サビの高揚感と言いますか、シンガロングしたくなるような解放感はシンプルに引き込まれる仕上がり。

程よいテンポでリズムを刻むドラムもあって、手拍子までしたくなるほど。

これからの未来を二人でよりよいものにしようと歌った歌詞の素敵さも秀逸。

Grow Old With Me - song by SHE'S | Spotify

 

・YOKU/Eve

エレクトロミュージックを意識しながらも落ち着いたトラックの雰囲気が印象的なミディアムナンバー。

サビ終わりのメロディはEDMのドロップに通ずる存在感があります。

洗練されたメロディもあって、アルバムの中でも上品さが際立つ1曲となりました。

いい意味で「歌い手アーティスト」に抱いていたイメージを超えて来たなと。

こういう系統の曲も出来るんだという驚きがあります。
YOKU - song by Eve | Spotify

 

・i care/Homecomings

Homecomingsらしい素朴さを感じるサウンドとメロディが暖かなポップナンバー。

ゆったりでありながら軽やかに聞かせるベースとギターの旋律は身を委ねたく心地よさがあります。

サビの伸びやかな歌唱や前向きな気持ちを歌った歌詞も含め、春ならではの爽やかさを表現した1曲となりました。

i care - song by Homecomings | Spotify

 

・LOUDER/SPiCYSOL

重厚なドラムを軸としたグルーヴ、シンセの涼しげなサウンドがシンプルに心地よいポップミュージック。

落ち着いた雰囲気を感じさせる間奏のピアノサウンドは短いながらもしっかりと心に残るフレーズを奏でています。

Kennyの伸びやかで爽やかな歌声も含め、本当にリラックスできる1曲。

メロディとグルーヴに身を委ねて聞き浸りたい・・・

LOUDER - song by SPiCYSOL | Spotify

 

・カメレオン/King Gnu

ピアノによる美しいメロディと井口の繊細な歌唱が印象的なバラードナンバー。

J-POPの王道を意識したメロディとヌーらしいグルーヴを感じさせるバンドサウンドに引き込まれる1曲。

3分とシンプルな構成の曲に感じるんだけど、間奏でクラシカルな雰囲気にしてみたりとヌーならではの音楽的こだわりも垣間見えるのがポイントでしょうか。

変わり果てた君を想う気持ちが歌われた歌詞と相まって、楽曲に漂う切なさが際立っていると感じました。

Chameleon - song by King Gnu | Spotify

 

上半期を振り返って

いろいろありすぎた2022年の上半期ですが・・・

例年以上に歌詞よりもメロディやサウンドなど、音楽面を重視した選曲になったのではと思っています。

世の中が騒がしいからこそ、音楽くらいは「歌詞なんか度外視して音を楽しみたい」という私の心が表れたのではないかなと。

7月に入ってからも既に大きな出来事が起きてしまってますが、これからの行く末はどうなるのでしょうか?

不安に思うだけ仕方ないので、下半期もいい音楽に出会えることを楽しみにしたいところです。