高知の片隅でひっそりとJ-POPを語る

高知から音楽(J-POPメイン) やアニメなど、好きなものへの愛を語っていきます。

おかえり。/安野希世乃 -帰る場所があるということの安心感-

「涙。」、「笑顔。」に続くコンセプトアルバムの第三弾となる「おかえり。」。

前二作ともきよのんの歌声を最大限に活かしたポップアルバムですが、今作はそれをさらに感じられるものとなっていました。

 

タイトルが「おかえり。」というだけあり、聞く者をそっと包み込むような楽曲と歌声を楽しめるんですね。

声優さんのアルバムでありながらアニソンっぽい曲調ではなく王道J-POPを意識した作風になっており、まるで家に帰ってきた瞬間の安心感があって。

かの香織さんや堂島孝平さんによる提供曲から感じる安定感、それをしっかりと歌いこなすきよのんの表現力は素晴らしいの一言です。

聞いているだけでホッとさせてくれると言いますか、まさに「おかえり。」と声を掛けてくれる人の優しさにも似た暖かみのある1枚だと感じました。

声優アーティストが好きな方はもちろん、王道J-POP好きにもぜひ聞いてほしいです。

 

以下、収録曲レビュー

 

1.ミナミカゼ それはきっと

夏の爽やかさを軽快なギターのカッティングとホーンサウンドで表現したポップナンバー。

かの香織さんによる楽曲だけあり、どこかAOR風味が漂っていて新鮮に感じます。

爽やかに吹くミナミカゼをイメージしたかのようなきよのんの歌唱も聞いていて心地よい。

 

2.生きる(アニメ「ソウナンですか?」EDテーマ)

残酷な世界でも生きていたいー。

そんな前向きな気持ちを歌い上げた力強い1曲です。

90年代J-POPっぽい雰囲気が漂うメロディ、Cメロで聞かせる伸びやかな歌唱が個人的にツボ。

ゆったりとしたテンポで少しずつ前に進んでいく姿を表現しているのも印象的。

ただ単に懐かしいだけでなく、しっかりとしたメッセージ性を含ませているのが見事ですね。

 

3.Destino~恋は一秒の永遠~

ラテン風味を効かせた情熱溢れるポップナンバー。

アコースティックギターが紡ぐラテンメロディにきよのんの力強い歌声がしっかりとマッチしている印象です。

芯の強さを感じさせるだけでなく、曲の雰囲気に合わせた色っぽさも加えていて素晴らしい。

 

4.Kiss! Kiss! Kiss!

きよのん作詞による甘い恋心が描かれたキュートなポップナンバー。

サビの歌唱はとろけるほどの甘さを感じられます。

何とも可愛らしい雰囲気に満ちていて、耳が幸せになりました。

 

5.エイリアンボーイ

堂島孝平作曲による、力強さを感じさせるロックナンバー。

ジャジーな雰囲気も含んだサウンドときよのんの力強い歌唱にまた違った一面を感じることが出来ました。

自分に気があって近づいてくる相手を宇宙人に例え、その関係を歌った歌詞もコミカル。

色っぽい雰囲気もあってか、個人的に現代版「UFO」と言いたい1曲です。

 

6.夏色花火

美しいピアノサウンドとストリングスをメインに聞かせるバラードナンバー。

花火を見ながら君と過ごす夏の夜の情景が描かれた歌詞もいい雰囲気を演出しています。

花火が終わると離れてしまう、そんな二人の儚い恋模様を切なく歌うきよのんの歌唱にも引き込まれました。

 

7.おかえり

シンプルなピアノの伴奏で紡がれるメロディが美しいバラードナンバー。

「おかえり。」と言える、言ってもらえることって幸せなんだ。

当たり前の日常が大切だと歌った歌詞は心に響きます。

きよのんのしっとりと優しい歌唱も印象的。

 

まとめ

7曲ともきよのんの歌声を最大限に活かした仕上がりでした。

包み込んでくれる優しさを持つ歌声が聞ける安心感はアルバムタイトルの「おかえり。」にも通ずるものがあるのではないでしょうか。

このアルバムにおける良質の歌を聞いた瞬間に感じる暖かさ=家に帰ってきた時のホッとする瞬間ではないかと思います。

まさに「おかえり。」というタイトルに相応しい1枚です。

安野希世乃 3rdミニアルバム『おかえり。』 ダイジェスト!!! - YouTube