アイデア/星野源 ‐アイデア、それは希望‐
「恋」、「Family Song」、「ドラえもん」と良質のポップミュージックを生み出し続ける星野源。
星野源らしい王道のポップナンバーかと思いきや、変則的なリズムや弾き語りを挟み込んで聞く者の度肝を抜く1曲に仕上がっています。
マリンバの軽快で爽やかな音色から始まるイントロ、そこから走り出すかのような疾走感を含んだ1番の展開が実にキャッチー。
「恋」にも通ずる王道さを感じさせるメロディラインでありながら、ドラムの刻むリズムが意外と複雑な印象です。
全体的に大胆なアレンジを施した「アイデア」ですが、この時点でその片鱗を見せつけているのが見事。
二番へ入ってからの展開も耳が離せないと言いますか。
メロディラインはそのままに、変則的なリズムを刻むバックトラックでインパクトを与えてくれます。
サビでは微妙にリズムを変えているのがまた憎いんですよね。
絶妙にテンポアップしているためか、すごくスリリングになっていて何とも言えない緊張感も生まれています。
ダンサンブルな間奏も今までにない実験的な雰囲気を楽しめる。
しんみりと聞かせる弾き語りから再びキャッチーさを取り戻すラストのサビもたまらない。
オーケストラ的な壮大さを表現したアウトロも含め、星野源の集大成とも言えるんじゃないかって気がしました。
何より、閉塞感に満ちた世の中を明るく照らしたいという気持ちが歌われた歌詞とうまくマッチしているのもポイントかと。
目まぐるしく変化する曲調は聞いていると嫌なことも吹っ飛んでしまうほどで。
まとめ
キャッチーさ全開の1番、実験的要素を感じる2番から間奏、シンガーソングライターの真骨頂ともいえる弾き語り・・・
1曲の中で3曲分を表現しているのがまさに「アイデア」という曲名に相応しい。
そのうち発売されるであろう次のアルバム、どんなものになるのか今からワクワクします。