高知の片隅でひっそりとJ-POPを語る

高知から音楽(J-POPメイン) やアニメなど、好きなものへの愛を語っていきます。

Official髭男dism「Traveler」 -旅人が見た様々な景色、それを音楽で-

昨年リリースの1stアルバム「エスカパレード」より一年半ぶりとなる本作。

単なるピアノロックバンドではないことを再確認させる、多彩な楽曲が楽しめた1枚でした。

今の彼らから感じる勢いがそのまま伝わってきます。

 

全体的な感想

メジャーデビュー後初となるアルバム「Traveler」。

タイトルを直訳すると「旅行者」なんですが、それに相応しい音楽性を感じられるポップアルバムとなっています。

ピアノロックを軸にしながらも、ファンク・ジャズ・R&B・ブラックミュージックなど様々なジャンルを吸収して髭男流のポップスに昇華しているのがその表れでしょう。

1曲目「イエスタデイ」で「振り向かず虹すらも越えて行く」と歌い上げてから始まるアルバムの楽曲群は、そう言って出発した旅人が見てきた世界中の風景を想起させるような仕上がり。

そんな宿命を燃やしきって生まれたこのアルバムには、それくらいにバリエーション豊かな楽曲が揃っているのです。

 

あと、リズム感がいい楽曲の多さも特筆すべきポイント。

ハイハットの軽快なリズムと力強いメッセージが見事に重なった「イエスタデイ」、グルーヴィーなロックナンバー「Amazing」、ゆったりとしたテンポのトラックと藤原の美声に身を委ねたくなる「Rowan」、AOR風味のポップさと小気味いいギターリフがたまらない「最後の恋煩い」、メンバー全員によるボーカルワークとピアノとホーンサウンドの晴れやかなサウンドに引き込まれる「旅は道連れ」など、挙げればキリがありません。

アップテンポとミドルテンポのバランスも程よく、違ったアプローチで聞く者に心地よさを与えているのは本当に見事。

旅行者が世界を旅する中で感じたであろう楽しさ、それがしっかり伝わってくるものになっているなと感じました。

 

タイトルになっている「旅行者」の楽しさを自分たちのポップスに昇華して表現した「Traveler」、現代ならではの優しさと熱さを兼ね備えたメッセージも感じられる必聴の1枚です。

 

まとめ

サブスクでの再生回数が圧倒的な勢いとなっている髭男ですが・・・

本作はその勢いに恥じない楽曲の完成度、前向きさを感じさせるアルバム構成が素晴らしいなと感じました。

2019年を代表するJ-POPアルバムを作り上げたと言っていいでしょう。

今後も彼らの活躍を楽しみにしたいところです。

Traveler by Official HIGE DANdism on Spotify

Traveler (初回限定LIVE Blu-ray盤)

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