高知の片隅でひっそりとJ-POPを語る

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Alexandros「I Wanna Go To Hawaii.」-バンドアンサンブルから感じた決意-

国際派ロックバンド[Alexandros]の2ndフルアルバムとなった今作。

前作「Where's My Potato?」以上にバンドアンサンブルの強化が感じられました。

 

  • 全体的な感想

鳴らされるサウンドはより強固に洗練さを増し、キャッチーなメロディから感じられるエネルギーも半端ないものに仕上がっています。

UKロックの要素からエモ、ギターロック、パンクなどのジャンルを吸収した楽曲リズムの多彩さを加えてるのが印象的でした。

アルバムとしてのまとまりも良くて、完成度としては前作以上だと断言できます。

特に、インストナンバーの「tokyo2pm36floor」(変則的なリズムながらも、ギターのリフの躍動感が素晴らしすぎる!)がいい役割を果たしていてスムーズに聞けるんですよ。

 

基本的に骨太なロックサウンド(「Rocknrolla!」など)が中心なんですが、今作では「風邪をひいた時の歌」のような温かみのある曲を聞かせてくれたのもポイント。

日常の空気感が漂う優しいギターサウンドと歌詞が印象的なナンバーに仕上がっていて、新境地も感じさせてくれました。

ラストの「サテライト」に至っては、美メロと川上洋平の伸びやかなファルセットが炸裂したバラッドになっているのも驚きです。

こういったサウンドはシンプルさを追及している感じがあったのですが、音像的にも深みを持たせているのがいい感じ。

 

もちろん、彼らの持ち味であるカッコ良さと硬派さが同居するロックナンバーも良曲揃いで聞き応えは十分。

本作のキラーチューンであろう「Rocknrolla!」は、イントロから渋めのギターリフが展開されていてとにかくカッコいい仕上がりで。

間奏部分でのうねるようなギターサウンドも聞き手を圧倒してくれます。

「city」も勢いを感じさせるアレンジになっていて、よりクールさが増しているのが印象的。

軽やかなベースラインとテンポよく刻まれるバスドラがメインのAメロからギターが炸裂したサビへの流れがたまらない。

その他の楽曲も川上洋平氏のメロディセンスが炸裂していて、真っ直ぐなロックサウンドが堪能できます。

 

何より、捨て曲が一切ないんですよね。

前作以上に力を入れて制作された12曲は、今の彼らから感じられる勢いがそのまま詰まっています。

思えば恵まれた生活をこう
与えられてたこの坊ちゃんがロックンロールなんて
叫んでいいんだろうか?

「風邪をひいた時の歌」にあるワンフレーズなんですが、川上洋平の決意みたいなものを感じたんですよね。

今回のアルバムを作る上で、生半可な気持ちでは望みたくないって想いがあったんでしょう。

本作はそれを見事に具現化しているのです。

 

・まとめ

先行シングルの2曲で感じさせてくれたポップさを強調した作風になっていたのが印象的ですが、同時に骨太なロックサウンドも堪能させてくれた彼らの2ndアルバム。

楽曲の完成度・構成共に、1stを超えるとは思ってもいなかっただけに驚くしかなかったです。

今後もますます期待が出来そうで、非常に楽しみなバンド。

 

I Wanna Go To Hawaii.

I Wanna Go To Hawaii.