高知の片隅でひっそりとJ-POPを語る

高知から音楽(J-POPメイン) やアニメなど、好きなものへの愛を語っていきます。

Predawn「手のなかの鳥」-夜明け前の世界-

・全体的な感想

アコギを演奏しながら歌う女性シンガーソングライターの中でも、かなりツボに来たかもしれません。

 

彼女の奏でるメロディはUKインディやブリティッシュ・フォークの流れを踏襲しつつも、曲の持つ世界観を重視しているように感じました。

オビに書かれているとおり、「夜明け前の音楽」になっています。

優しく包み込んでくれる音もあって個人的には星が出た夜空の下で聞きたい一枚。

メロディの質も高くて、アコギのシンプルなサウンドながら聞く者の心を掴んで離さない楽曲揃いといったところでしょうか。

特に、アコギの音階を自由自在に操っているのには驚きました。

高音域から低音域の音色をくまなく使った楽曲は繊細ながらも聞き応えありです。

 

どの曲も良かったのですが…

サビでの語感の良さとアコギのシンプルなサウンドが心地よさを感じさせてくれる「Suddenly」、ハーモニカの音色がいいアクセントの「Little Green」、エレキギターの激情的なサウンドを取り入れることで、オルタナの要素を持たせることに成功した「Apple Tree」の3曲は特に素晴らしい。

 

また、歌っている清水美和子さんの声も温かさと柔らかさがあっていい感じです。

どこか力強さを感じさせてくれるのもポイント。

和製NORAH JONESとか言われているみたいですが、まずは聞いてみてほしい。

 

・まとめ

アコギが奏でる独特の世界観を持ったサウンドは、聞く者の感情に何かしら訴えかけてくるでしょう。

シンプルで優しい音像の曲たちは、今の時代にこそ聞いてほしいものなのです。

 

手のなかの鳥

手のなかの鳥

 

 

5/26 今日の一曲 奥田民生「風は西から」

まだ5月なのに夏っぽくなってきましたね。

晴れた日はドライブに行きたくなります。

そんな今日はドライブにピッタリな奥田民生さんの「風は西から」をセレクト。

とにかくギターリフが心地いい一曲で、ドライブに行きたくなるような解放感がたまらない。
「Be a driver.」オフィシャルソングになっているだけはありますね。

 

・風は西から

小気味いいドラムのリズムと突き抜けたギターサウンドが爽快なロックナンバー。
楽曲の気だるげな雰囲気が民生らしいんですけど、同時に疾走感を感じさせているのが見事。
サビのギターリフと間奏のギターソロがとにかくカッコいい!
タンバリンやマラカスの音色も曲に彩りを加えています。
それでいて、シンプルに仕上げているのがポイント。

何より、歌詞がいいんですね。
マツダの企業広告「Be a driver.」オフィシャルソングとなっているこの曲。
とにかく前へ進む力強さを感じられると言いますか。

自分の方向性をバカにされたからって気にしていても仕方がない。
むしろ、その人も味方にするくらいの勢いで進めばいいんじゃないでしょうか。
後ろを振り向いている暇はないぜ。とにかく前だけを見よう。
進むべき方向へ向かう過程を楽しもうってメッセージが伝わって来ました。
聞いているだけでワクワクするメロディと相まって、実に説得力がありますね。

 

・まとめ

風は西から強くなっていく-。
最初のサビの直前にあるフレーズなんですけど…
メロディ、歌詞含めてまさにそうと言える曲に仕上がっていました。
派手さはないけど、聞いているだけで元気を貰えると言いますか。
民生らしさも感じられる、新たな名曲。

 

あと、PVにも注目。
衝突安全性テストのダミー人形を主人公にしているんですけど・・・
ある女性と出会ってから自分の役目を理解してテストに臨むシーンがグッと来ます。
タイアップ先を意識してロードスターを登場させているのもポイント。

 

O.T. Come Home(初回生産限定盤 )

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スピッツ「おるたな」 -スピッツのおるたな精神-

・全体的な感想

「とげまる」から約1年三か月ぶりとなる「おるたな」は彼らにとって三枚目となるアルバム未収録音源集。
2004年の「スターゲイザー」から「君は太陽」までのカップリング曲や2002年以降のカバー音源を中心に収録されています。
完全新曲はないものの、普段のスピッツとは違う魅力を感じることが出来る作品に仕上がっていました。

まず、カップリング曲の完成度が高いんです。
A面曲は限りなくキャッチーな楽曲で攻めてきている印象ですが、B面曲では少しひねくれている感じが出ていて面白味があります。
それでいて、スピッツらしいポップセンスを含んでいるのが見事。改めて聞いてみると名曲の多さに驚くばかり。
ギターのキレやバンドアンサンブル、曲の爽快感はA面曲以上かもしれません。
曲名が取っつき難い(というよりも抽象的?)のに、本気を感じられる曲になっているのがスピッツらしい。

また、カバー曲も素晴らしい。
どの曲も原曲の良さを保ちつつ、スピッツらしさも同時に表現しています。
マサムネの透明感溢れる声と彼らの見事なバンドアンサンブルによって、新たな命が吹き込まれているかのように感じました。
大きくアレンジを施していない(「14番目の月」は除く)んですけど、スピッツらしさが出ている点からも手を抜かずにやるというバンドの姿勢が現れています。
彼らのオリジナル曲にも引けを取らない、表現力と演奏を堪能できる珠玉のカバーと言えるでしょう。

 

・全曲レビュー

1.リコリス
アコギの爽やかな旋律とエレキギターの力強いリフが印象的。
後半に向けて駆けていくかのような曲の展開が好きですね。
マサムネの優しい歌唱から感じる切なさと疾走感のギャップがたまらない1曲。
シンプルなメロディラインでありながら、飽きさせないのもグッド。
聞けば聞くほど味が出てきます。

 

2.さすらい
奥田民生さんのカバー。
原曲と雰囲気が同じなのに、マサムネが歌うだけでスピッツの曲として成立している。
アレンジもシンプルにしている点が彼ららしく、声の力を感じられる仕上がり。

3.ラクガキ王国
ハードなギターリフが炸裂したスピッツ流のロックンロール。
初期の楽曲に近い雰囲気を感じられ、バンドとしての勢いに満ちています。
ギターの小技を効かせたり、うねりまくるリフがカッコいい。
これぞ、A面曲では見られないスピッツの真骨頂。

 

4.14番目の月
ユーミンのカバー。
収録楽曲の中で最もハードなアレンジが施されているのが印象的です。
ピアノやアコギを取り入れるなど、音で優しさも感じさせるのがスピッツらしい。
サビを力強くしている展開もまたグッド!

 

5.三日月ロック その3
突き抜けたギターリフが爽快感を感じさせるギターロックナンバー。
適度なスピード感とマサムネのボーカルがいい味を出しているんですよね。
サビにおける切れ味のいいギターリフは必聴。
個人的にはすごく好きな音です。

 

6.タイム・トラベル
原田真二さんのカバー。
キラキラしたピアノサウンドと優しいバンドサウンドが曲の良さを最大に引き出しています。
都会的でありながら懐かしい雰囲気を感じさせるのも、スピッツの成せる技でしょう。

 

7.夕焼け
夕暮れ時の切なさが曲に表れた1曲。
アコギを主体とした美しいメロディが素晴らしく、風景が浮かんできます。
「君のそばにいたい 想っていたい」と歌い上げるマサムネの歌唱も圧巻。

 

8.まもるさん
小気味いいギターリフとドラムのリズムが印象的なロックナンバー。
Aメロ~Bメロまでのディスコ調からサビで少し加速するかのような流れへと転調する時の爽快感がいい感じ。
キーボードのアクセント的な音使いも適度な浮遊感を演出しています。

 

9.初恋に捧ぐ
初恋の嵐というバンドのカバーですね。
原曲は聞いたことがないんですが、爽やかさを感じさせるアレンジが印象的。
初恋の苦い思い出を描いた歌詞とのギャップが上手く作用している点もポイント。

 

10.テクテク
イントロから始まるマサムネのアカペラが圧巻。
その後のハワイアンミュージック的なアレンジも素晴らしく、この作品におけるヒーリングミュージックとしての役割を果たしています。シャンベやアコーディオンの音もいいアクセントになっており、とにかく癒される曲。

 

11.シャララ
フリューゲルホルンのコミカルな音使いがアクセントになっているポップナンバー。
ギターの開放的なリフと「シャラララ…」のみのサビと相まって、とにかく陽気な曲。
「明るい明日を信じて さっそうと駆け抜けていく」といった前向きな歌詞もいいですね。
ただ元気になってほしい、そんなスピッツの想いが感じられました。

 

12.12月の雨の日
はっぴいえんどのカバー。
マサムネの無感情な歌唱がどことなく重苦しさを感じさせてくれます。
雨の日の鬱屈さを表現しているかのようですけど、12月とタイトルにある曲でやるのがひねくれているスピッツらしい。
フォーク調のアレンジも個人的に新鮮。

 

13.さよなら大好きな人
花*花のカバー。
原曲キーが高かったように思うんですが、さらりと歌いこなせるのが見事。
マサムネのハイトーンボイスが活かされています。
間奏でギターの音を高くしている箇所が個人的に好き。

 

14.オケラ
不穏なギターリフと反響するマサムネのボーカルが印象的。
ラストに混沌としたメロディの楽曲で締めるのが「おるたな」に相応しい。
ドラムも荒々しい感じが好き。
歌詞も「もっと自由になって蛾になってオケラになって」とリズム感が心地いい。

 

・まとめ

今回の「おるたな」。

タイトルが示す通り、既存の形に捉われないで曲を作るスピッツの姿勢がそのまま表れたものと言えるでしょう。
カップリング曲とカバー曲によって構成されたアルバムでありながら、一つの作品として完成している。思わず納得。

 

 

おるたな

おるたな

 

 

SEKAI NO OWARI「Tree」-現実ともリンクしたファンタジーポップ-

 辛い過去と向き合ったから生まれた覚悟―。
同時にサウンドも突き詰め、ファンタジーな音世界を深めたポップアルバム。

 

・全体的な感想

SEKAI NO OWARIの2ndフルアルバムとなる「Tree」。

本作はファンタジーな世界観を深めた音作りが顕著になっています。
でも、決して現実的なものから目を逸らしているわけではないんですよね。
水をかく音や踏切の警報音、象の鳴き声に雑踏の日常的な音など・・・
ありふれた音をサンプリングしてセカオワ流のポップミュージックに取り入れているんです。
ファンタジーと現実感が程よく交じり合い、彼らならではの音が生まれている印象。
「ENTERTAINMENT」以上に自身のサウンドを突き詰めていて、迷いのなさが伺えました。

 

その変化は自身の過去と向き合った歌詞からも読み取れました。
絶望を感じた過去と真剣に向き合った「銀河街の悪夢」。
全てを失った瞬間に改めてスタートしようという決意が歌われた「アースチャイルド」。
単にファンタジー路線に逃げたのではなく、前へ進もうと決めたからこその変化だと思います。

その上でメッセージを投げかけていかないと説得力がない―。
自身と向き合ったことで覚悟も生まれたFukaseの強さも感じられるアルバムとなりました。

 

・全曲レビュー

 

1.the bell
ベルの音で構成されたイントロ的トラック。
聞いた瞬間に不思議な世界へと誘われてしまう、そんな雰囲気作りが見事。

 

2.炎と森のカーニバル
セカオワの作り上げた世界への入り口とも言える1曲。
ブラスバンドのリズムやアコーディオンの音色がカーニバル的な雰囲気を醸し出しています。
触れると壊れそうなファンタジーな世界をアレンジの繊細さで表現しているのは見事。

 

3.スノーマジックファンタジー
雪の妖精を好きになってしまった、叶わぬ恋の物語。
雪が降る様子を表現したピアノの音色が何とも言えない儚さを感じさせます。
幻想的な世界だからこそ、こういった恋もありなのかもしれませんね。

 

4.ムーンライトステーション
祭囃子や三線のフレーズとダンサンブルなリズムが融合した、和風ダンスチューン。
汽車のサウンドを取り入れたり、東京駅や横浜と言った現実の地名が登場するなど・・・
あくまでも現実に近い形で表現しながらも、ファンタジックに仕上げているのが印象的。
ダンスビートと汽車の音を重ねている個所のリズムが心地いい。

 

5.アースチャイルド
ファンタジックかつ底抜けに明るいサウンドが印象的なポップナンバー。
陽気かつ美しいピアノの旋律が楽曲に彩りを与えています。
鐘の音や花火が打ちあがる音を取り入れていることもあって非常に華やか。
地球出身のバンドとして歌っている設定も含めて、世界観の構築が見事です。

何より、終わりがあるから始まりもあると歌っているのが前向き。
一度全てが終わった瞬間を味わったFukaseだからこその説得力があると言いますか。
何があっても自分たちのスタンスを曲げない―。
そんな自信の表れを感じました。

 

6.マーメイドラプソディー
人魚を題材にし、「自由とは、幸せとは何か」を問いかけるポップソング。
水中で浮上していく泡を表現したサウンドアレンジがこれまた繊細。
水の中でしか自由に動けない人魚は人から見れば不自由なのかもしれませんけど・・・
当の人魚は会いに来てくれる人がいるだけでも幸せなんですね。
今いる場所が不自由だったとしても、それは人魚にとって自由以上のもの。
自由や幸せって人それぞれで決まったものじゃないんですよ。
勝手に自分の価値観を押し付けるな、そんなメッセージも含まれているように思います。

 

7.ピエロ
象の鳴き声や歓声を取り入れたサウンドが印象的なパーティーチューン。
現実の音のみでサーカスの空気感をそのまま表現しているのがセカオワらしい。
不安なピエロ役の人の背中を押す歌詞に勇気づけられます。
ゆったりとしたBPMでありながら、心拍音をサンプリングしたサウンドがそれを感じさせる。

 

8.銀河街の悪夢
絶望を感じた過去と真剣に向き合った1曲。
日常を感じさせる音や踏切のSEに乗せて奏でられるアコギのメロディが優しい。
一度堕ちるところまで落ちたからこそ、強くなるしかないわけで。
絶対に立ち直ってみせる、優しいメロディの中でも前に進む力強さを感じました。
日常的な音をサンプリングしているせいか、生々しくてリアル。

 

9.Death Disco
セカオワの楽曲でもっとも挑戦的と言えるエレクトロナンバー。
EDMによる打ち込みサウンドが重厚でカッコいい。
誰もが信じていることに対して疑問を投げかける歌詞にも考えさせられる。
みんなが信じていたり、やっているからってそれに従ってばかりでいいのか・・・
少しは自分の意志を持って行動するべきではないか―。
周りに流される人間が多い世の中に対して、疑問を投げかけたのが見事。
ある意味、彼らの問題曲とも言っても過言ではない。

 

10.broken bone
Fukaseが骨折した時の心情をそのまま歌にしたと思われるポップチューン。
当時のネガティブさが潜む歌詞と弾けるメロディとのギャップが何とも。
後半で転調してからのリズミカルな展開は前へと進もうとする意志を感じさせる。
自身の骨折エピソードをポップに歌い上げるあたりがそうなんでしょうね。
「broken bone」をポップコーンと空耳で聞かせている点といい前向きです。

 

11.PLAY
RPGゲームをモチーフにした世界観が印象的なナンバー。
チープなシンセサウンドや電子アレンジがファミコンっぽい雰囲気を感じさせますね。
ここじゃないどこかへ行ってみたい気持ちが出た時こそが始まりだと歌う歌詞もポジティブ。
思い立った時に行動を起こさないと後悔する―。
絶望を感じた時がスタート地点のセカオワだからこそのメッセージ。

 

12.RPG
マーチングバンドのリズムを取り入れたポップナンバー。
今までのセカオワと違い、非常に前向きさを感じられる仕上がりでした。
壮大なメロディとコーラス、力強いマーチングバンドのリズム・・・
冒険の始まりにワクワクする感覚を楽曲の開放感で表現しているのが印象的。
曲が進むにつれて力強さを増すFukaseの歌唱もポイント。
RPGそのものを表現しつつ、仲間の大切さを伝えているんですよね。
かけがえのない存在がいれば前へ進むのも怖くない―。
前進する彼らの決意表明とも取れる1曲。

 

13.Dragon Night
EDMを先導するニッキー・ロメロのプロデュースによるエレクトロナンバー。
軽快なEDMサウンドが聞いていて程よい心地良さを感じさせます。
それでいて繊細さを同居させているのがセカオワらしくもあるんですよね。
サビや間奏を繰り返す展開といい、キャッチーで耳に残りやすい。
「ドラゲナイ」と聞こえるサビもいろんな意味で印象的。

人は争い合うのではなく友達のように踊るべきと歌った歌詞も印象的。
本来、人類はどこかで繋がっていると思うんですよね。
人間の本質についても歌っているのが深い。

 

・まとめ

自身と向き合ったことでファンタジーな音世界を突き詰めた彼ら。
独自のポップセンスが炸裂した傑作となりました。
前へと進む覚悟が出来たセカオワを今後も見守っていきたい。

 

Tree(通常盤)

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5/3 今日の1曲 スピッツ「ロビンソン」

今聞いても色褪せない曲ってあると思います。

今日はそんな曲の代名詞とも言える、スピッツの「ロビンソン」をご紹介。

 シンプルなメロディだけど、心に響きます。

 

・ロビンソン(アルバム「ハチミツ」収録)

アコギのリズミカルな旋律が耳に残る良質のポップス。


何といっても、全体的にポップなんですね。
アコギの旋律はもちろん、小気味いいうねりのベースラインにシンプルさを打ち出したドラムのリズム。
複雑な展開はなく、非常に聞きやすい仕上がり。
なのに、どこまでも進んで行けそうな開放感を持つサビが見事。
マサムネの伸びやかな歌とシンプルさを打ち出したメロディが融合した結果なんでしょうね。

ひねくれながらも、前へと踏み出す人を応援する歌詞も印象的。
「宇宙の風に乗る」と言ったフレーズがスピッツらしい。

 

シンプルだからこそ、心に響く。
本当に愛される曲って、どれだけ心に残るかが大切だと思います。
それをシンプルに形にした名曲、「ロビンソン」。
親しみやすい展開にメロディ、いつまでも聞いていたい1曲。

 

https://youtu.be/51CH3dPaWXc

高橋優「今、そこにある明滅と群生」-日常が少しでもいい方向へ-

彼が目にした世界への想い―。

 

・全体的な感想

高橋優の4枚目となるフルアルバム「今、そこにある明滅と群生」。
今作は高橋優さんが日常で目にした世界をそのまま歌い上げた作品になっています。
現代社会で起こる出来事、その中で繰り広げられる人間模様・・・
そこに潜む光と影も含め、11曲の歌にして描いています。

全体的にストレートな歌詞が多く、とにかく訴えかけてくるものが多い印象。
それは彼がこの世界を愛しているからなんでしょうね。
少しでも世界がいい方向になってほしいからこそ、真っ直ぐに歌っているんです。
楽曲の優しくもシンプルなメロディからもそんな想いが感じられました。
恐らく、彼の作品中でもっともリアルを歌っている作品じゃないでしょうか。
本人が最高傑作と言うのも頷ける内容ですね。
リアルタイムシンガーソングライター・高橋優の本領がいかんなく発揮された傑作。

 

・全曲レビュー

1.BE RIGHT
イントロのギターフレーズが陽気なポップナンバー。
聞いているだけで明るくなれるほどの躍動感に満ちています。
「自分に出来ることを一つずつやっていこう」という歌詞から感じられるエネルギーがすごい。
ピアノの音色も楽曲に彩りを加えるだけでなく、差し込む光を表現しているかのよう。

 

2.太陽と花
荒涼とした大地を想像させるギターのイントロがカッコいい。
そんなアレンジの楽曲は聞いているだけでグッと引き込まれていきます。
力強いメッセージの込められたサビと相まって希望も感じさせる仕上がり。
荒野に咲く花にも太陽の光は等しく当たる・・・
少しでも前向きに行こう、そんなメッセージが込められているように思います。

 

3.裸の王国
周りに合わせることが多い現代の人々を皮肉った歌詞が印象的。
軽快なリズムの楽曲に乗せて歌っているのが何とも痛快。
自分もツイッターをやっているだけに、歌詞のようにならないようにしなれば・・・
ちょっと考えさせられた1曲ですね。

 

4.明日への星
アコギのシンプルなメロディラインが聞いていて気持ちいい。
バンドサウンドの盛り上がりが印象的なサビは王道のアレンジで聞きやすいですね。
純粋にメロディの良さを押し出していて好き。
スケールの大きい世界観で希望を歌った歌詞も圧巻。

 

5.WC
ネット上に溢れる匿名の言葉を便所の中の行為に例えた1曲。
サビにおける高橋優さんの力強い歌唱、乾いたギターサウンドのアレンジが痛快。
怒りにも似た感情を剥き出しにして歌い上げていています。

 

6.同じ日々の繰り返し
「人生は映画」をテーマに優しく歌い上げた高橋優流の応援歌。
人生とはその人が主人公の映画でもあると思うんですよね。
同じ日々のように見えても少しずつ違っている、同じ日は二度とやって来ないわけで。
一日一日を全力で生き抜こう、そんなメッセージが込められています。
ピアノの優しいメロディが心に沁み渡ってくる。

 

7.ヤキモチ
ヤキモチを焼いてしまう自分をテーマにしたラブソング。
そんな自分だけど、相手のことは誰よりも想っている・・・
ヤキモチ焼きなりの優しさを感じさせる1曲。
ピアノの優しい音色がいいですね。

 

8.旅人
ギターの優しいメロディラインが印象的。
生きることを旅に例えた深みのある歌詞はぜひとも目を通してほしい。

 

9.犬
「自由とは何か?」を疑問形で問いかけてくる1曲。
人にとって自由の概念は違うんでしょうけど・・・
自由という言葉の意味を改めて考えさせられました。
ピアノの高音を活かした美しいメロディも秀逸です。
音使いやアレンジは素晴らしいの一言。
ラストで半音上がる展開も聞いていて爽快。

 

10.パイオニア
軽快なメロディで前へ進む力強さを表現した1曲。
ギターの爽快なサウンドが背中を押してくれます。
人生はまだまだ続くからこそ、立ち止まるわけには行かない。
「人生のピークを過去に設定するにはまだ早いんじゃない?」
もっと歩み続けられるんじゃないか、自分を信じよう―。
力強いメッセージを感じました。

 

11.おやすみ
シンプルなピアノの旋律が心地いいバラードナンバー。
君が笑顔でいてくれたら何もいらない・・・
ラストに相応しく、子守唄のような優しさに満ちています。

 

・まとめ

彼が目にした世界に対して感じたことをストレートにぶつけた本作。
力強い歌唱や真っ直ぐな歌詞といい、今まで以上のエネルギーを感じました。
想いをそのまま歌い上げる彼だからこそ作り上げることが出来た1枚。
最高傑作と言うにふさわしい。

 

 

四国の美味いもの紹介 食べ出したら止まらない塩けんぴ

音楽感想がメインとなっているこのブログ。

そればかり書くのも飽きてくるので、ちょっとばかり新企画を。
四国(主に高知)のものばかりではありますが、食事やお菓子など美味しかったものを紹介していきます。
ドライブが好きでよく出かけるため、いろいろ気になる場所に立ち寄ったりしたんですよね。
自分の中に留めておくのはもったいない気がして、記事にしていこうと決めました。
題して「四国の美味いもの紹介」。
観光やビジネスで四国を訪れた際はぜひ参考にしていただければと。

 

・食べだしたら止まらない、塩けんぴ

1回目は高知を代表するお菓子・芋けんぴをご紹介。
といっても、昔ながらの甘いのではないんです。
塩味を効かせた塩けんぴっていうのがあるんですよ。

高知県内のお土産物屋さんで売っているので、見かける方も多いと思いますが・・・
中でもオススメは四万十町の水車亭で売っている1㎏塩けんぴ。
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見てください、このボリューム!
あまりの大きさに最初はビックリした記憶があります。
でも、食べだしたら止まらなくなるからあっという間になくなるんですよね(^^;
ほんのり塩味と甘さがマッチしているためか、絶妙な味わい。
けんぴ自体の香ばしさも相まって、ポテトチップスに近い感覚があります。
なので、四万十町に行く時は必ず買ってしまうほど。
1㎏で842円とお買い得なのも理由の一つでしょうか。


・塩けんぴだけじゃない、水車亭のオススメお菓子

ちなみに、この塩けんぴを売っている水車亭。
他にもオススメのけんぴやお菓子があります。

こちらはQスケというB級品のけんぴ。

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切れ端を集めたもので固い部分が多いんですね。
固い物好きの方にはたまらない一品。
なお、最近は稀にしか入ってこないみたいで。
写真の紫芋Qスケはたまたま見かけたので即買いました。
値段は普通のQスケが594円、紫Qスケが540円となっています。

ここからは写真がないので、文章のみで。
高知らしい柚子けんぴと生姜けんぴも美味しいです。
柚子の爽やかさが効いた柚子けんぴ、生姜の辛さが来る生姜けんぴ。
どちらも高知県産の柚子と生姜を使用しているそうで、地元の名産を使っているのがいいですね。
個人的に季節ごとに買い分けるのが良さそう。

他にも、砕いたけんぴとパイが美味しいけんぴパイ。
クランチしたけんぴとチョコの食感がたまらないクランチチョコけんぴも外せません。

 

というわけで、オススメのお菓子や食べ物を紹介する記事の第一弾でした。
他にもいろいろあるので、時間があれば紹介していきたいところですね。

最後は水車亭の情報をまとめておきます。

 

水車亭
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高知県高岡郡四万十町古市町9-30
営業時間 8:00(稀に9:00からの営業?)~20:00(1、2月の平日は19:00まで?)
TEL 0880-22-3456(開店直後と閉店1時間前は電話を避けた方が良さそうです)