RADWIMPS「絶体絶命」-洋次郎の想い-
洋次郎が世の中の現実を伝えるべく生み出した傑作。
全体的な感想
RADWIMPSの2年ぶりとなるアルバム「絶体絶命」は、楽曲・歌詞の全てにおいて全力を注いで制作されているように感じました。
歌詞とメロディから感じられるエネルギーが過去最高なんです。
演奏はもちろんのこと、ロック、パンクからアイリッシュ系サウンドの要素を幅広く吸収した楽曲は聞き応えがあるかと。
今までのRADの曲と言えばラブソングが多いように感じられたのですが…
本作は自分自身に対してや世の中に対してのメッセージが多数を占めているんですよね。
全体的に重苦しい雰囲気の漂うアルバムなんだけど、「絶体絶命」の状況でもがきながらも前向きに突き進もうとする力強さも同時に感じさせるのは見事。
アルバムの中に登場する「僕」という人物は独りぼっちなんですが、自身の周りで起こる出来事を乗り越えようとする強さを感じさせてくれました。
人生の出口へと早く向かう人たちが多い現実に「世の中を生き抜け」と厳しくもメッセージを投げかける「DADA」、自分に都合のいいことばかりを見てないで幅広い視野で世の中を見ようと訴える「狭心症」、お互いに勝手な言い分けばかりする現代の男女に対する嘆きが込められた「G行為」などのように、必死にもがいているかのようです。
それだけでなく、生まれた時から独りぼっちの人間、それでも前向きに生きることで道は開かれると歌っている「DUGOUT」みたいに前向きさを感じさせてくれる曲もあったりと、決してネガティブ思考でないのが素晴らしい。
もがいた末に前を見て進もうとしているのです。
世の中を生き抜くためにはかけがえのない人の存在が必要だけど、最終的には自分の力でやるしかないと歌っているように感じられる「救世主」をラストにしていることからもそれが伺えます。
楽曲に関しては、どこか突き抜けた作風になっているのもポイント。
パンク寄りだったり、ピアノロックやカントリー風味のサウンドなど非常に自由度が高くなっている気がするんです。
鋭さや音の表現力(ギターの高音を活かした音色なんか特に)も増しているため、いつも以上に聞き応えありだと感じました。
歌詞の力強さともリンクしているのがいい。
まとめ
このアルバムに込められたメッセージと向き合うー。
聞けば聞くほど、洋次郎が世の中に対して思っている事が痛いほど伝わってくる作品になりました。
痛烈なメッセージは今までのRADからは想像出来ないくらいに、深みのあるものに仕上がっています。
- アーティスト: RADWIMPS
- 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
- 発売日: 2011/03/09
- メディア: CD
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