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Alexandros「EXIST!」-確かな存在感とバンドの決意-

全体的な感想

[Alexandros]の6thアルバムとなる「EXIST!」。
今まで以上の勢いに満ちた楽曲からドロスの本気が伺える仕上がりです。
ギターロックを軸に、ポップス、パンク、エレクトロ、ヒップホップ、シューゲイザーなど・・・
様々なジャンルを貪欲に取り込んだサウンドで楽しませてくれました。

ピアノとギターサウンドで月の輝きを表現した美しいメロディの「ムーンソング」。
ヒップホップのリズムと鋭いギターリフが攻撃的でカッコいい「Kaiju」。
浮遊するピアノの音色ただただに美しさを感じる「O2」。
UKロックとシティポップのオシャレさがたまらない「Feel like」。
鋭いギターサウンドに圧倒される「Buzz Off!」。
硬派なロックからパンクテイストへの転調がたまらない「クソッタレな貴様らへ」。
ミドルテンポの王道サウンドが彼らにしては新鮮な「今まで君が泣いた分取り戻そう」。

ドロスのアルバム史上、もっともバリエーションに富んだ楽曲が揃っています。
これは高みを目指す川上洋平の決意がそのまま表れた結果なんでしょうね。
どの楽曲も高みを目指したいという感情に満ちていました。
新しい壁を歓迎し、乗り越えたい想いの「NEW WALL」で締めくくっているのがその表れ。
困難な壁を乗り越えてこそ、自分たちの存在を確かなものにすることが出来る―。
アルバムに散りばめられた様々なタイプの楽曲は彼らが乗り越えてきた壁そのものではないでしょうか。
今までを振り返りながらも、さらに先へと進んでいく。
バンドの決意と覚悟がより明確になった一枚と言えます。

以下、全曲レビュー


1.ムーンソング
ピアノの音色をアクセントにしたギターロック。
月の輝きを表現した美しいメロディがたまりません。
Bメロ後半で盛り上がってくる演奏、ラストの軽快なリズムも聞きどころ。
自ら月に成り上がってやるという強気な歌詞にドロスらしさを感じます。

2.kaiju
ヒップホップのリズムと早口で捲し立てる歌唱、乾いたギターサウンドが攻撃的なナンバー。
自らの人生にこれでいいのか?と問いかけてくる歌詞は聞く者の心に突き刺さってきます。
棘のある言葉が多いながらも、思わず考えさせられるメッセージ性に満ちた一曲。

3.Girl A
イントロの駆け抜けるシンセと重厚なバンドサウンドが印象的。
Aメロや間奏のドラムとベースが生み出す重苦しい雰囲気に圧倒されます。
掻き鳴らされるギターサウンド、力強いベース、重く鳴らされるドラムによる音の洪水は圧巻の一言。

4.Claw
初期衝動の勢いがそのまま表れたロックナンバー。
攻めるギターサウンド、カウントダウンありとやりたいようにやってる印象。
一転してサビではしっかりとしたメロディを聞かせてくれます。
そのギャップがたまらないですね。

5.O2
酸素って曲名だけあり、澄んだ空気感を表現した美しいサウンドに引き込まれる。
優しく語りかけるような歌唱と歌詞が心に沁みてきます。
ピアノとシンセを中心としたサウンドも必聴。

6.Feel like
シンセサウンドがオシャレで、洋楽の空気を感じずにいられないポップナンバー。
軽快なドラムのリズム、サビのリズミカルな歌唱、ハンドクラップ音・・・
これらは聞いていると楽しくなってきます。
オアシスなどUKロックの要素を取り入れた洗練されたサウンドがたまらない。

7.Aoyama
東京の青山を連想させるかのようなシティポップ。
小気味いいギターリフ、テクニカルな間奏がたまりません。
辛辣なメッセージを含む歌詞とのギャップも印象的。


8.Nawe,Nawe
ストリングスを導入した美しくも力強いロックアンセム。
キーボードの奥行あるサウンドがその美しさを増幅させています。
高音を活かして伸びやかに歌い上げるサビも圧巻。
思わず合唱したくなるような1曲です。
悲しみを乗り越えたから何も恐れるものはないと歌った歌詞もドロスらしい強さに満ちている。


9.Buzz Off!
鋭いギターサウンドが圧倒的にカッコいいロックナンバー。
サビ後半の盛り上がり、語りを入れた二番も聞きどころです。
ラストに向けての演奏も圧巻ですね。
特に、ギター同士の掛け合いは息を呑むほど。

10.クソッタレな貴様らへ
イントロの硬派なギターサウンドからパンクテイストへ転調する展開が印象的。
乾いたバンドサウンドはカッコいいの一言。
USロック調に転調する後半部分も圧巻。
これまでを振り返る歌詞もあってか、バンドのこれからの決意を感じさせますね。

11.Swan
ダブステップを意識した打ち込みとピアノ主体のイントロがオシャレ。
サビに向けて疾走感を増していく展開は聞いているだけでワクワクを感じさせてくれます。
それを増幅させるかのように、曲中で動と静を表現している点も注目。
穏やかなAメロ、尖ったギターサウンドが突き刺さるサビ・・・
メロディの良さを曲の持つ二面性で感じさせてるのが見事。
猟奇的ながらも、愛というテーマに向き合った歌詞もメロディを引き立てています。
ギターの掛け合いがカッコいい間奏、サビの最後で攻めてくるドラムの演奏にも注目。


12.I want u to love me
チープなシンセの音色が印象的なロックナンバー。
目まぐるしく変化する間奏からアウトロにかけての展開は圧巻の一言。
へヴィーなギターリフ、タッピング奏法、民族音楽っぽいコーラス・・・
一曲の中で見られるいろんな表情がたまりません。
表現力の高さにも注目して聞いてほしいところ。

13.今まで君が泣いた分取り戻そう
ストリングスを取り入れた、壮大なミドルバラード。
ミスチルスピッツなどの王道と言えるサウンドを意識しているのが印象的。
かなりJ-POPよりなんですが、かえって新鮮に感じます。
普遍的なラブソングに仕上がった歌詞も含めて。

14.NEW WALL
ストリングスの壮大な響きと駆け抜けていくバンドサウンドが気持ちいいロックナンバー。
シンプルで爽やかなメロディでありながらも力強さを感じました。
新たな壁にぶつかってもそれを乗り越えて行きたい―。
そんな想いがうたわれているからなんでしょうか。
サビのリフレインや「最高(愛しき)わが人生」という歌詞にそれが表れています。
困難も含めて人生を楽しむ、一番を目指す彼ららしいメッセージが込められた楽曲です。

まとめ

バンドが乗り越えて来た壁のように様々な表情を見せる楽曲たち。
覚悟とこれからの決意、これまでの想いが込められているように感じました。
既存の枠に捉われず、前へ進むドロスの姿勢が表れた名盤です。

評価:★★★★★

EXIST!(初回限定盤A)(DVD付)

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