高知の片隅でひっそりとJ-POPを語る

高知から音楽(J-POPメイン) やアニメなど、好きなものへの愛を語っていきます。

鈴木みのり「夜空」 -あなたと一緒にいい未来を描きたい-

「ヘンなこと大好き娘」のイメージが強い鈴木みのりさんですが。

2月12日発売の「夜空」は声優アーティストとしての表現力をしっかりと感じられるシングルとなっていました。

 

1.夜空(アニメ「恋する小惑星」ED曲)
お互いにいい未来を描いていこうー。

将来への希望を歌った歌詞とみのりんごの歌声が心に響くバラードナンバー。

夜空に浮かぶ星空の輝きをイメージした美しいメロディとなっていて、みのりんごの楽曲でも上品な仕上がりとなっています。

 

特に、サビの完成度は王道J-POPを彷彿とさせるほど。

安定した良さのメロディをしっかりと歌いこなす表現力も印象的。

伸びやかな歌唱がさらに引き立てているように感じました。

 

個人的に歌詞の内容に合わせたアレンジも聞き所。

強くなりたい気持ちを歌った1番はシンプルに、絆を歌った2番からは軽快なドラムも加わった力強さも感じさせるようになっているのがポイント。

歌詞、歌唱、メロディの全てで希望に満ちた1曲だと思います。

 

2.まぼろし

本当は会えないけどまた出会えるかもしれない・・・

そんな君への思いを歌った歌詞と少しづつ盛り上がるメロディが切なさを感じさせるバラード。

1番は繊細に、2番から力強く感情的に歌い上げるみのりんごの歌唱は圧巻の一言。

「もう会えないんだ」と気づいた時の寂しさがこれでもかと聞き手に伝わってきます。

2番のBメロが終わった瞬間の静けさも曲の世界観を上手く作り上げている印象。 

 

3.いっせのーでっ!

サビの掛け声や途中で入ってくるセリフが明るい印象を与えてくれるポップナンバー。

転調するCメロや全体的なテンションの高さはまさにみのりんごって感じの仕上がりです。

北川勝利さんによる楽曲らしく、洗練された旋律のピアノもいいアクセントになっている印象。

キュートなコーラスも含め、一度聞けば離れない中毒性を持った曲となりました。

 

まとめ

3曲とも違う表情を見せながらも、みのりんごの新境地を感じさせる仕上がりでした。

声優アーティストとしての表現力をしっかりと高めているのが伺えますね。

2020年も活躍が楽しみです。

https://www.youtube.com/watch?v=Ct-zSVAldXc

あなたがいることで/Uru -大切なあなたを守れるように-

常に安定したバラードナンバーを聞かせてくれるUru。

個人的に最近のアーティストの中でも良質のバラードを歌い続けているのではないでしょうか。

2月9日に配信がスタートした「あなたがいることで」もそれを実感するに相応しいものでした。

 

コバタケプロデュースの楽曲でありながら、Uruの歌声の良さを最大限に引き出している1曲です。

 

  • あなたがいることで(TBS日曜劇場「テセウスの船」主題歌)

透明感のあるUruの歌声、優しいピアノサウンドの暖かみを感じられるバラードナンバー。

小林武史プロデュースの楽曲でありながら、決して飲まれずにUruらしさを維持した楽曲となっているのが見事。

悪く言えば代わり映えしないバラードなんだけど、繊細で存在感のある歌声をしっかり活かしているため、いい意味での安定感があります。

聞いているだけで心が暖まってくると言いますか。

こういったバラードナンバーこそ、彼女の魅力であると言えるでしょう。

 

また、「あなたがいるだけで強くなれる」と歌った歌詞も印象的。

笑顔だけで支えてくれるだけでなく人間らしい弱さも見せてくれたからこそ、私はもっと強くなりたい・・・

大切なあなたを守れるようになりたいって気持ちも伝わってきました。

 

歌声とピアノサウンドで聞かせるシンプルな楽曲だからこそ優しさが伝わる、Uruらしいラブソングです。

あなたがいることで by Uru on Spotify

【Amazon.co.jp限定】オリオンブルー (通常盤) (デカジャケット付)

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  • アーティスト:Uru
  • 出版社/メーカー: SMAR
  • 発売日: 2020/03/18
  • メディア: CD
 

水瀬いのり「ココロソマリ」 -この気持ち、大切な人に伝えたい-

水瀬いのりさんにとって、2020年最初のリリースとなるシングル「ココロソマリ」。

3曲ともタイプの違う楽曲でありながら、アーティスト・水瀬いのりとしての存在感を発揮している印象でした。

 

1.ココロソマリ(アニメ「ソマリと森の神様」ED曲)

水瀬いのりさん自身が作詞を手掛けた、優しさに溢れたバラードナンバー。

J-POPの王道と言える美しいピアノサウンドとストリングスによるメロディ、繊細さを兼ね備えた歌声が心に響きます。

サビで聞かせる感情豊かな歌唱もあって、曲の持つ優しさが増幅されているように感じました。

いつもの力強さや演じている時のキュートさとはまた違った魅力があります。

 

大切な人に対して愛を伝えようとする気持ちが歌われた歌詞も印象的。

ソマリの世界観に合わせつつ、一つのラブバラードとして完成しているのは素晴らしい。

特別な愛で心を染めていく、そんな深い愛を歌った1曲です。

 

2.僕らは今  

エモーショナルで壮大なギターサウンドと転調が印象的なロックナンバー。

今に対する想いを真っ直ぐに歌い上げた1曲で、ダイナミックさを感じるメロディと相まってとにかく力強い。

そう思うのはマイケミっぽいアレンジも影響しているからなんでしょうか。

サビの「今を駆け抜けていく」って感じが個人的に好きです。

 

3.Well Wishing Word

イントロのキュートな歌いだしや軽快なメロディが元気な印象を与えてくれるポップナンバー。

流れるようなオーボエの音色など、全体的に賑やかさを感じずにいられません。

それをより実感させる水瀬いのりさんの歌唱もポイントです。

それでいて、歌詞は奇跡的に出会った二人が再会を誓い合う気持ちを歌ったものになっているギャップも個人的にツボ。

明るい楽曲だからこそ、悲しさを感じさせないようにしている配慮も感じられますね。

 
  • まとめ

昨年4月に発売されたアルバム以来のシングルとなった「ココロソマリ」。

表題曲で作詞を手掛けるなど、アーティストとしての表現力がさらに上がっていると思いました。

特に、転調を繰り返す壮大なロックナンバー「僕らは今」をしっかりと歌いこなせていたのにはビックリ。

 

今後も活躍が楽しみです。

パプリカ/米津玄師 -ずっと大切にしたい想い-

2020年のライブツアーが始まったばかりの米津玄師さん。

かなり盛り上がっているようで、改めて勢いを感じずにいられません。

そんな中、8月にMVだけ公開されていたセルフカバーの「パプリカ」が今日から配信されています。

 

原曲の歌詞を大切にしつつも、大胆なアレンジを加えたことで新たな曲として生まれ変わりました。

 

  • パプリカ

ノスタルジックな情景の浮かぶイントロ、どこか民謡を彷彿とさせるアレンジによって原曲とは全くの別物として生まれ変わった1曲。

ダブステップのリズムを意識したトラック、R&Bやトラップなどいろんなジャンルを取り込んだ大胆なアレンジに圧倒されます。

たまに聞こえる笛の音色といった民謡的要素と合わさって独特の世界観を生み出しているなと感じました。

サビ前に入ってくるドラムっぽい音の存在感も含め、ところどころに米津さんらしいセンスが散りばめられている印象。

 

特に、間奏からCメロにかけての展開も必聴。

夏祭りの賑わいと終わる頃に感じられる何とも言えない寂しさ、それをここだけで表現しているようで。

夏の終わりやお盆の時期に漂う雰囲気ってあるじゃないですか、まさにあの感じというべきか。

個人的にこのフレーズも相まってより印象に残ります。

会いに行くよ 歌を歌って

手にはいっぱいの花を抱えて らるらりら

直接的には描かれていないんですけど、米津さんなりに「ご先祖様を大切に」ってメッセージを伝えたいのかなって気がしました。 

「Lemon」で祖父を亡くした悲しみを歌い、「海の幽霊」で年に一度の再会できる時期の大切さを歌っているからこその説得力があります。

ラストで聞かせる民謡調の歌唱も含め、すごく心に響く仕上がり。

 

忙しさのあまりご先祖様への想いを忘れそうになりがちだけど、これからも大切にしていきたいなと思わされました。


米津玄師 MV「パプリカ」Kenshi Yonezu / Paprika

パプリカ

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  • provided courtesy of iTunes

2020年1月ベストソング5選

2020年になったかと思いきや、早くも1月が終わりますね。

少しでも充実した日を過ごしたいものです。

それはさておき、今年も月ごとのベストソングを発表していきます。

 
新しい年代に入ったこともあり、力強く前向きなメッセージを込めた曲を選んだように感じました。
いつもと同じくベストソング5曲と次点5曲で選曲してます。
2020年代初のベストソング記事、ぜひチェックしてください。
 

2020年1月ベストソング5選

初期衝動的な勢いの疾走感に満ちたメロディ、荒々しくうねるギターサウンドがカッコいいKing Gnu流のパンクロック。
目まぐるしく転調を繰り返しながらも、スタイリッシュに聞かせているのが印象的。

井口さんの歌唱とアコースティックギターによるシンプルなラストで静寂を切り裂いて駆け抜ける展開は息を呑むほどに圧巻。

「他の誰かにはなれやしないから自分らしくあれ」ってメッセージにも考えさせられます。

今やるべきことを全力で頑張りつつ、自分らしさも忘れずに。自分は自分でしかないからー。

今の時代を生きるからこそ聞くべき一曲ではないでしょうか。

Teenager Forever, a song by King Gnu on Spotify

 

  • BORDERLESS/雨のパレード

自分が今まで選んだ道は間違いじゃない、だから自信を持って進んでいこうー。

ボーカル・福永の歌唱とそんな風に肯定してくれる歌詞が背中を押してくれるポップナンバー。

打ち込みを主体としたビートの奏でるリズム、それに乗っかるギターサウンドは聞いていて心地よい仕上がり。

思わずシンガロングしたくなるサビの高揚感も素晴らしい。

アルバムのタイトルが示すように壁を取り払いたい気持ちも感じられます。

BORDERLESS, a song by ame_no_parade on Spotify

 

アコースティックギターのシンプルで優しい音色が心に響くミディアムナンバー。

コードを変える瞬間にキュッと鳴る音を上手く活かしている印象で、味わい深さを感じずにいられません。

力強いけど暖かみのあるドラム、一つ一つの言葉を語り掛けるように歌う安部勇磨の歌唱も含め、全てが優しさに満ちています。

関係が終わってから相手の優しさに気づいた時の感情を綴った歌詞も切ないけど暖かい。

やさしいままで, a song by never young beach on Spotify

 

  • はるどなり/須田景凪

寒い冬でもあなたの隣で春を待ち続ける・・・

そんな想いを優しく歌い上げた美しいバラードナンバー。

Bメロまでのしっとり感(歌謡曲的な歌唱も印象的)から感情の溢れ出すサビへ移行する瞬間は圧巻。

サビの裏声を活かした歌唱で歌詞に込めた想いを伝えているのが見事です。

はるどなり, a song by 須田景凪 on Spotify

 

  • Me & You Together Song/THE 1975

暖かみを感じさせるギターサウンドと跳ねるメロディが心地よいギターポップ

90年代ポップスのような懐かしさ、楽曲の持つ暖かさに気が付けば引き込まれています。

イントロからラストまで一定のテンポを保っていることもあり、軽快なメロディをずっと楽しめる仕上がり。

スピッツっぽい雰囲気を感じさせる点とずっと君に恋している気持ちを歌った歌詞も印象的。

変わらないメロディラインが歌詞のもどかしさを表現しているのでしょうか。

Me & You Together Song, a song by The 1975 on Spotify

 

次点曲

現代社会に対する警鐘を含んだ歌詞が痛烈な印象を与えるロックナンバー。

全体的にスリリングさを感じさせるメロディ、重厚感のあるベースラインはシンプルにカッコいい。

特に、混沌さを増す中盤のベースソロと間奏後に入るギターソロのみの箇所は圧巻。

シビアな世の中で生きる人々の感情と言いますか、そういったものが爆発しているように感じました。

どろん, a song by King Gnu on Spotify

 

  • Shine On/NEIGHBROS COMPLAIN

小気味いいギターリフと軽快なビートを刻むドラム、洗練されたメロディが印象的なオシャレポップ。

ダンスミュージックを彷彿とさせる間奏、ラストの伸びやかなギターサウンドは聞いていて心地よい仕上がり。

個人的に市街地を運転するときに流したい1曲。

Shine On, a song by NEIGHBORS COMPLAIN on Spotify

 

ジャジーでスリリングなメロディ、オシャレさも感じさせるホーンサウンドが印象的なポップナンバー。

新ボーカル・上原の歌声はクールで色っぽく、楽曲の魅力を最大限に引き出しています。

90年代っぽい曲ではなく、しっかりと新しさを提示してきたのが素晴らしい。

間奏のギターソロもテクニカルに聞かせており、この曲における必聴ポイントだと思います。

YouTube

 

  • Your Head/Survive Said The Prophet

壮大さを感じさせるギターサウンドが聞く者を圧倒するロックナンバー。

ハードロックテイストではあるんだけど、どこか洗練されていて上品さも感じさせる印象。

Bメロまでの重厚さを押し出した展開からサビに入った瞬間の開放的なサウンドはたまりません。

Your Head, a song by Survive Said The Prophet on Spotify

 

  • Philosophy(18祭Mix)/[ALEXANDROS]

君は君でしかないー。

そんな力強いメッセージが込められた壮大なロックバラード。

サビで掻き鳴らされるギターサウンドとベース・ドラムのリズム隊による強靭なグルーヴに引き込まれます。

UKロックテイストでありながら、キャッチーさも忘れないメロディがポイント。

Philosophy - 18祭Mix, a song by [Alexandros] on Spotify

CEREMONY (通常盤) (特典なし)

CEREMONY (通常盤) (特典なし)

 

はるどなり/須田景凪 -あなたの隣で春を待つ-

去年8月に発売されたEP「porte」から気になっているアーティスト・須田景凪。

昨日から新曲「はるどなり」が配信されているんですが、シンプルにいい曲でして。

優しい言葉、美しいメロディが心に響くバラードナンバーとなっています。

 

・はるどなり(フジテレビ系ドラマ「アライブ がん専門医のカルテ」主題歌)

ピアノとストリングスによる美しいメロディ、優しい言葉で綴られた歌詞が心に響くバラードナンバー。

サビで綺麗な裏声を聞かせる須田景凪の歌唱に思わずグッと来るものがあります。

寒い冬でも春を待つような気持ちであなたの側にいたい・・・

Bメロまでのしっとりした歌唱からサビに入る瞬間の感情表現は圧巻。

その気持ちが本当のものなんだなってのを感じずにいられません。

 

個人的にBメロの歌謡曲的な歌唱も印象的。

サビ前と少ないんですけど、すごく惹きつけられるものがあって。

日本の春が持つ美しさをわずかな部分で感じさせるのが見事。

 

シンプルなバラードでありながら、春の訪れを待ち遠しく感じる1曲です。

はるどなり, a song by 須田景凪 on Spotify

はるどなり

はるどなり

  • 須田景凪
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

King Gnu「CEREMONY」 -強さも弱さも受け入れて新しい時代を生き抜く-

強さも弱さも受け入れてー。

新しい時代に対する決意を一つの式典で表明した、物語的な1枚です。

 

  • 全体的な感想

昨年1月発売の「Sympa」からちょうど1年ぶりとなる3rdアルバム「CEREMONY」。

今の彼らが持つ勢いをそのまま感じられる仕上がりとなっています。

ニュー・トーキョー・ミクスチャースタイルを維持しつつ、ギターロックやR&Bなどジャンルレスにサウンドを作り上げて聞き手を圧倒しているのが素晴らしい。

そんなサウンドでしっかりと惹きつけるだけでなく、社会への警鐘も鳴らしています。

特に、前半の楽曲に込められたシビアなメッセージはこの時代だからこそ受け止めるべきではないでしょうか。

 

人生にガードレールは無いよな

手元が狂ったらコースアウト

真っ逆さま落ちていったら

すぐにバケモノ扱いだ

 

明日を信じてみませんか

なんて綺麗事を並べたって

無常に回り続ける社会

無駄なもんは切り捨てられるんだ

from どろん

 

真っ新に生まれ変わって

人生一から始めようが

へばりついて離れない

地続きの今を歩いて行くんだ

from 白日

現実を受け入れているように感じられる歌詞なんですが、そこからは「俺たちはこの厳しい時代を生き抜かなければならない」という覚悟や強さを感じずにいられません。

ちょっとでも気を抜いたら再起不能になるんじゃないかー。

今を生きる者たちの危機感を上手く表現していることに思わず脱帽するほどで。

 

それでも、みんな心の中には弱さも持っていると思うんですよね。

飛行艇」から始まる後半部分は人間らしい弱さも垣間見せてくれました。

大空を舞おうと決意したところでどこにも行けやしないと気づかされ、さらに自分の替えなんていくらでもいると実感し、時には失恋の悲しみに人知れず涙を流す・・・

前半で覚悟と強さを歌ったからこそ、これらの弱い部分もしっかり伝わってくるんです。

自分の中にある覚悟や強さだけでなく、弱さも含めて受け入れることが今の時代を生きるためには必要だー。

新しい時代の幕開けをイメージする式典のような構成でそんなメッセージを伝えているアルバムだと感じました。

 

  • 以下、全曲レビュー

 

1.開会式

壮大だけどどこか不穏な空気も感じさせるイントロ的なナンバー。

新しい時代への期待と不安を同時に表現しているのが印象的。

これからどんな時代が始まるのか・・・

サウンドのみですが、思わず考えさせられました。

 

2.どろん

混沌としたギターサウンドの鋭さがシンプルにカッコいいロックナンバー。

全体的にスリリングな展開で、聞き手にもその空気感が伝わってくるほどです。

シビアな時代を生きる覚悟も感じられる歌詞、ラストで疾走感を増す展開も圧巻。

彼らの本気を感じずにいられません。

 

3.Teenager Forever

他の誰かになんてなれやしないー。

そう分かっていても自分を信じてみたい・・・

現実を受け入れながらも強くありたい気持ちが歌われた、King Gnu流のパンクナンバー。

目まぐるしく転調を繰り返しながら違和感なく聞かせているのが見事。

ラストの大胆な転調もポイント。

 

4.ユーモア

R&Bのトラックを意識したリズムがクセになるオシャレナンバー。

小気味いいリフを刻むアコースティックギターの音色はシンプルに心地よい仕上がり。

井口の繊細なボーカル、常田の味わい深いボーカルによる掛け合いもたまりません。

 

5.白日

罪や過ちを犯した事実は消えないー。

それでも前を向いて生き続けることが大切だと歌ったミドルナンバー。

スタイリッシュさも感じさせるトラック、ボーカルの掛け合いが歌詞のメッセージを確かなものにしています。

 

6.幕間

ゆったりと聞き手をリラックスさせるような雰囲気が漂うインストに仕上がっています。

式典の途中に挟まれる休憩のようなものでしょうか。 

 

7.飛行艇

大合唱したくなるほどの存在感を持つサビ、重厚なドラムによるリズムが印象的なアンセムナンバー。

飛行艇が飛ぶ大空を舞って存在感を知らしめたいー。

そんな野心を一歩一歩踏みしめるかのような足取りのメロディやサウンドで表現しています。

 

8.小さな惑星

ギターサウンドの疾走感、冬っぽさを感じさせる音のアレンジが心地よいポップナンバー。

日常の光景も宇宙全体から見ればちっぽけなものに過ぎない・・・

スケール感のある歌詞を引き立てるメロディも印象的。

 

9.Overflow

感情や物事など、いっぱいいっぱいでパンクしそうな状態を上手く表現したポップナンバー。

ヌーらしくスタイリッシュで軽快なメロディが病みつきになります。

 

10.傘

失恋の悲しみを降りしきる雨に例えて歌い上げた1曲。

洗練されたリズムと井口の繊細な歌唱がそれをより増幅させています。

雨の降る様子を表現したギターサウンドも印象的。

 

11.壇上

ピアノとバイオリン、チェロの美しい音色が心に染み渡るバラードナンバー。

深みを感じさせる常田のボーカルは歌詞に込められた自分の弱さを素直に伝えてくれます。

渋さを押し出しているイメージが強い常田のボーカルですが、思った以上にピアノサウンドとの相性がいいんだなと感じました。 

 

12.閉会式

ストリングスの奏でる異国情緒感じるメロディラインが印象的。

ここから新しい時代がスタートするわけですが、待っているのは希望に満ちた世の中か、それとも・・・

 

  • 総評

「白日」のヒット、紅白出場を経てリリースされたKing Gnuのニューアルバム「CEREMONY」。

 一つの式典をイメージした構成になっているためか、各シングル曲が絶妙な配置だと感じました。

歌詞のメッセージ性も考えているのが伺え、作品としても上手くまとまっていると思います。

20年代の幕開けを飾るに相応しい良盤がここに誕生です。

CEREMONY by King Gnu on Spotify

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