高知の片隅でひっそりとJ-POPを語る

高知から音楽(J-POPメイン) やアニメなど、好きなものへの愛を語っていきます。

米津玄師「M七八」 -人のために頑張るからこそ抱える痛み-

3曲とも米津さんらしいセンス・世界観に引き込まれる仕上がりでした。

カップリング曲を含めて、いつもこちらの想像を超えてくるのは本当に見事です。

 

1.M八七(映画「シン・ウルトラマン」主題歌)
壮大で美しいメロディ、力強くも優しさを感じさせるビートが背中を押してくれるポップナンバー。

ヒーローの強さを「痛みを知るただ一人であれ」と表現した歌詞は自分よりも人のために頑張るヒーローの姿を肯定しているかのよう。

2番のBメロから間奏~Cメロへの転調も自然な感じで見事な仕上がりで、ラストに向けての盛り上がりを増しているのがポイント。
メロディの美しさと壮大さが目立つ曲ですが、程よい重厚さを漂わせているのも印象的。

この重さが痛みを抱えながらも戦うヒーローの強さを表現しているんじゃないかと感じました。

そう考えると、米津さんの表現力ってすごいんだなと脱帽です。

 

2.POP SONG

中世ヨーロッパの賑やかさとカラフルな世界観をイメージしたメロディが独特のセンスを感じさせるポップナンバー。

サビはキャッチーなんだけど、後半で頻繁に繰り返す転調と不思議な雰囲気を漂わせるメロディが融合したことで聞き手にインパクトを与えているのが見事。

曲を彩る一つ一つのサウンドも表情豊かに仕上がっており、アコーディオンやピアノ、グルーヴを生み出すベース音など思わず耳を奪われてしまいました。

タイトルから抱いたイメージが「カラフルで個性的な曲」なんですが、それに相応しい仕上がり。

ふざけているように感じる歌詞や一番聞きやすいサビを一回しか入れない構成も含め、遊び心が満載の1曲。

 

3.ETA

重厚さとエレクトロサウンドの浮遊感による音の雰囲気が圧倒的な1曲。

タイトルに「ET」とあるように、宇宙空間をイメージした無重力感の漂うサウンドに仕上げているのが凝っている印象。

米津さんの儚さと力強さを感じさせる歌唱、大切な友人に対する想いを伝えられるような平穏がいつまでも続くことを願う歌詞は心に響きます。

このご時世だからこそ、この歌詞が持つ意味をしっかりと胸に刻みたいと感じました。

アウトロに向けてのラスト1分もノイジーでありながら、それを考える時間にさせてくれる余韻を持っているのが素晴らしい。
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