PINK BLOOD/宇多田ヒカル -せめて自分だけでも自分を大切にして-
既に「不滅のあなたへ」でOAされている「PINK BLOOD」。
私は見ていないため、今日の配信スタートでようやく聞くことが出来たのですが・・・
昨年の「Time」に続き、初期のR&B路線を踏襲したトラックが宇多田らしい1曲となっていました。
単なる原点回帰ではなく、今の流れに合わせた作風になっている点に注目です。
・PINK BLOOD(アニメ「不滅のあなたへ」主題歌)
HIPHOPを意識したトラックのグルーヴ感と初期を彷彿とさせるチキチキサウンドが程よく融合したR&Bナンバー。
軽快なリズムになっているんだけど、エレクトロ風味を加えたことでしっかりと今の宇多田ヒカルらしい曲になっている印象。
歌のメロディから感じるリズム感も宇多田ならではの雰囲気に満ちており、いい意味での安心感があります。
3分と短めの曲ではあるものの、浮遊感があるのにさらっと聞けるようになっているのが見事。
「こういう曲を作ったら右に出る者はいない」ってのをまたも証明してくれました。
宇多田らしいセンスを感じられる歌詞の世界観も印象的。
クールな雰囲気の楽曲とは裏腹に、自分を大切にしていこうと歌っています。
失敗した時に自分を必要以上に責めたり、自分の考えを持たないで周りに流されて生きる・・・
自分の価値を自分で下げるようなことをしていては余計に生きづらくなると思うんですよね。
せめて自分だけは自分を認めてあげないとー。
人生を生きるうえで大切なことなんだと改めて考えさせられました。
サウンド面だけでなく、歌詞のメッセージも時代に合わせていく宇多田ヒカル。
今回の「PINK BLOOD」もそれを強く感じられたのではないかと思います。
新しい世代のアーティストが活躍している現代ですが、彼らにも負けない存在感はさすがの一言。
ある程度の曲が発表されているので、新しいアルバムにも期待できそう。