高知の片隅でひっそりとJ-POPを語る

高知から音楽(J-POPメイン) やアニメなど、好きなものへの愛を語っていきます。

東京事変「color bars」-それぞれの色-

メンバーがソングライターとして、それぞれ個性を発揮した自由度の高い1枚。

 

・全体的な感想

東京事変としてラストの作品となったミニアルバム。
1曲ずつ各メンバーによる作詞・作曲となっているのが実にラストらしい。
曲ごとにそれぞれの個性が反映されているので、全体の統一感はないに等しいです。
でも、どの曲からでも聞けるって点では遊び心に満ちている作品。

そういった意味では、これまでの事変としての活動を集約した作品と言えます。

 

・全曲レビュー

1.今夜はから騒ぎ

ジャズの要素を感じさせつつも、歌謡曲風に仕上げているのが林檎らしいナンバー。
夜の繁華街に漂うムードを上手く表現している点も見事。
林檎の歌い回しも印象的ですね。

力強さとエロスを感じさせてくれます。

 

2.怪ホラーダスト
ダークさとキラキラした音色が印象的なロックナンバー。
伊澤さんの渋い歌唱と攻撃的とも取れるサウンドが実にカッコいい。
不穏な空気の中に漂うポップ感も絶妙。

サビのリズム感も心地いい。

 

3.タイムカプセル
シンプルなピアノサウンドを基調としたバラードナンバー。
亀田誠治さんによる作詞・作曲なんですが、林檎が歌っています。
派手さはないものの、歌い手としての林檎を実感できる1曲。
堂々とした歌唱と高い表現力は圧倒的。
新しい自分へと生まれ変わろうとする歌詞も印象的で、力強い林檎の歌唱が活きています。

 

4.sa_i_ta
クールな雰囲気を感じさせる事変流ディスコロック。
規則的にうねるベースラインとビートのリズムがカッコいい。
夜のクラブで流れてそうなイメージですね。
浮雲と林檎による絡み合いも聞きどころ。

 

5.ほんとのところ
ノイジーなギターサウンドと浮遊感を演出するピアノが印象的な1曲。
異世界に引き込まれそうなサウンドになっていて、不思議な感覚になります。
刄田さんの叫ぶような歌唱も圧巻。

 

・まとめ

活動の最後にミニアルバム、それも統一感がない。
でも、東京事変らしさを感じられる1枚になっていました。
東京事変として「自分たちの音楽をどこまで表現できるか」を突き詰めた結果だと思います。
ラストアルバムでありながら、非常に中身の濃い仕上がり。

また、夜のムードを演出した曲が目立っている点も見事。
カラーバーは一日の放送を終えたチャンネルに出てくるものですからね。

カラーバーのようにバリエーション豊かな作品です。

 

color bars

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