高知の片隅でひっそりとJ-POPを語る

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星野源「Same Thing-EP」 -星野源がこれをやるからこそ面白い-

2019年は音源のリリースがないまま10月を迎えた星野源

そんな中、いきなり新作「Same Thing-EP」を発表することが決まりましたが・・・

 

配信限定という形もさることながら、彼の新たな挑戦や決意が垣間見える4曲が揃った作品となっています。

 

  • 以下、収録曲レビュー 

1.Same Thing(feat.Superorganism)

ゆったりとした打ち込みビートのリズムが心地よいポップナンバー。

拙いながらも楽しんでいる感が伝わる星野源さんの英語、シンセやアコースティックギターの音色もほどよくリズミカルな印象。

英語詞なのですぐにメッセージは入ってこないものの、聞いていて楽しくなる仕上がり。

 

特に、「wabisabi~」から始まるCメロのやりたい放題感に脱帽。

肩の力が抜けるほどに拍子抜けするくらい気だるげな歌唱、ノリノリの掛け声・・・

それまでのリズミカルで力強い印象をぶっ壊す脱力感たっぷりな展開はいい意味で期待を裏切っている印象。

「侘び寂びめちゃくちゃにしよう」という歌詞のままに、J-POPの枠を超えたい彼の決意も感じられました。

洋楽ポップスを意識したメロディやCメロの展開が示す通り、音楽におけるジャンルの壁をぶっ壊そうとせんほどの勢いに満ちています。

 

2.さらしもの(feat.PUNPEE

オシャレなピアノによる洗練されたトラックが印象的なヒップホップ。

星野源PUNPEEによるラップの掛け合いは非常にリズミカルで心地よい。

日常の情景を描きつつ、さらしものだけの愛も夢もあると歌った歌詞に何だかグッときます。

自分の人生が人より大したことないと感じていても、人を愛したり夢を持つことは出来るー。

そっと背中を押してくれるようなメッセージを感じました。

 

何気に「Same Thing」へと繋がるフレーズの存在にもニヤリ。

 

3.Ain't Nobody Know

トム・ミッシュとの共同プロデュースによるエレクトロポップス。

シンセとゆったりとしたベースラインが織りなすトラック、星野源のしっとりとした歌唱がたまりません。

メロディもとにかく洗練されていて、まるで最先端のR&Bとも言える仕上がり。

どこかのカフェでしれっと流れていそうなイメージなんです。

個人的にインストバージョンも聞いてみたい、それくらい好みの1曲。

 

4.私

星野源の原点を彷彿とさせる、シンプルな弾き語りナンバー。

聞き手にそっと寄り添ってくれるかのような優しい歌唱は暖かい気持ちになれます。

心が痛むことをするより楽しい・面白いことをしようと語りかける歌詞も印象的。

聞き終わった後、心が優しい気持ちでいっぱいになりました。

今の荒んだ時代にこそ、歌う意味がある1曲だなと感じます。

 

何より、「Same Thing」のラストナンバーを飾っているのが素晴らしい。

変わっているようで変わっていない、ありのままの星野源がそこにいるのです。

 

  • まとめ

リリース形式、初となる試みを感じられる楽曲群・・・

星野源のさらなる野心や挑戦が伝わってくるものとなっていました。

それでいて、「私」が弾き語りナンバーになっていたりと根本的な部分は変わっていないというのもしっかりアピールしている印象。

「恋」で大ヒットを経験した星野源がやるからこその面白さを感じられる作品です。

Same Thing - EP

Same Thing - EP