高知の片隅でひっそりとJ-POPを語る

高知から音楽(J-POPメイン) やアニメなど、好きなものへの愛を語っていきます。

ゲスの極み乙女。「魅力がすごいよ」 -ゲスの極み乙女。というバンド-

ゲスの魅力がそのままに。まさに魅力が凄い一枚。

 

・全体的な感想

2014年4月にメジャーデビューを果たしたゲスの極み乙女。の1stフルアルバム。

ジャズやプログレの要素など、ジャンルレスなサウンドを堪能させてくれます。
複雑な演奏も含め、独自の世界観を自由に表現している印象。
スピーディーに鳴らされるピアノ、テクニックで聞かせるベースライン・・・
ポップさも兼ね備えたドラムなど、全てがハイレベルで奏でられているのが見事。
突拍子な展開の楽曲を安定した演奏技術で鳴らしているのもポイント。
30分台という収録時間もゲスの極み乙女。の魅力をコンパクトに感じさせる。

自由にやりつつも、自分たちの魅力をしっかりと伝えている本作。
ゲスの極み乙女。の魅力を感じるには最適な一枚と言えます。
アマゾンや初期から聞いている方のブログには「物足りない」といった意見もありますが…
コンパクトにまとめられているといった意味では「魅力がすごいよ」なんでしょう。

 

・全曲レビュー

 

1.ラスカ
J-POP的なメロディをジャズやロックの要素を含んだサウンドで奏でた1曲。
ジャジーなピアノや電子的にうねるベースラインがたまらない。
シンプルだけど、複雑さも兼ね備えたインパクトのある1曲。
間奏における演奏は必聴。
サビの前向きなフレーズも印象的。

 

2.デジタルモグラ
グルーブを感じさせるベースラインが印象的。
最初のサビを終えてから転調したりと、目まぐるしい展開も聞き所。
ジャジーな雰囲気を感じさせるサウンドに身を委ねて聞きたい。

 

3.crying march
ギターロックの疾走感をそのまま表現したロックナンバー。
ギターと絡み合うシンセのサウンドが爽快。
二番目の展開でテクニカルに攻めてくるピアノの音色にも注目。
間奏でギターソロやピアノソロを入れたりと、聞かせ所もしっかり。

 

4.星降る夜に花束を
ヒップホップのリズムとジャズの妖艶さを融合させたナンバー。
ベースの心地いいうねりとピアノの美しさがたまらない。
何より、ベースとピアノの奏でるイントロがカッコいい。
川谷さんのラップも楽曲の一部を構成している印象。

 

5.列車クラシックさん
ゲスの魅力の一つとも言えるピアノサウンド。
後半まるまる「水の戯れ」なんですけど、魅力を感じさせるためなのが見事。
最初のがったんごっとんが演奏会場まで連れて行ってくれる演出も印象的。
思わず聞き入ってしまうインスト。

 

6.猟奇的なキスを私にして
キャッチーなサビとテクニカルに聞かせるそれ以外の展開・・・
アレンジの良さといい、そのギャップがたまらない1曲。
様々な表情を感じさせる楽曲展開も聞かせてくれる。

 

7.サリーマリー
異国的なシンセの音色がインパクト大。
テンポアップしたり、ラップなどで変化を加えつつも、サビでは思いっきりキャッチーなポップミュージックに。
間奏のベースソロ、ラストのピアノによる「子犬のワルツ」にも注目して聞いてほしい。

 

8.ruins
アコギとピアノの美しい旋律、力強いドラムビート・・・
短い時間ながらも、聞く者を彼らの世界に引き込んでくれるインストナンバー。

 

9.アソビ
高速ラップとそれに絡み合うピアノ、「パラリラパラリラ」だけで構成されたサビと二番目で高速タッピングを聞かせるギターが印象的な展開。
電子的にうねるベースラインと心地いいドラムビートで攻めるラスト。
ジャンルレスに音楽を奏でる彼らの遊び心が感じられる1曲。
同じ展開がサビ以外ないってのも印象的。
イントロの乾いたギターリフもカッコいい。

 

10.光を忘れた
ピアノの軽快なメロディラインが印象的。
ベースライン、ギター、ドラムの演奏にも注目して聞いてほしい。
軽快な楽曲ながらも演奏をしっかりと聞かせてくれる。

 

11.bye-bye 999
アコギのしんみりとしたメロディライン、語り的な歌い方が印象的なバラード。
サビは聞きやすく、それ以外の箇所でインパクトを与えつつも壮大。
サビの歌詞と相まってか、ピアノの美しいサウンドが何とも切ない。

 

・総評

ゲスの魅力がコンパクトにまとめられた1stフルアルバム。
ジャンルレスなサウンドを安定した演奏技術で鳴らす・・・
サビで思いっきりキャッチーなメロディを聞かせてくれるのも印象的。
このスタンスは維持し続けて欲しいところ。