高知の片隅でひっそりとJ-POPを語る

高知から音楽(J-POPメイン) やアニメなど、好きなものへの愛を語っていきます。

Alexandros「ALDX」 -困難を乗り越え、前へ進む強さ-

困難を乗り越えた、彼らの強さ。
[Alexandros]として新たな一歩を踏み出す決意に満ちた一枚です。

収録曲

1.ワタリドリ
2.Boo!
3.ワンテンポ遅れたMonster ain't dead
4.Famous Day
5.Adventure
6.cant explain
7.Buzz Off (Interlude) 
8.Oblivion (feat. LITHIUM HOMME)
9.Leaving Grapefruits
10.Dracula La
11.Droshky!
12.Dog 3
13.Run Away
14.Coming Summer

全体的な感想

[Champagne]から[Alexandros]にバンド名を変更後、初となるアルバム。

前作をリリースしてからの間、PVのパクリ騒動やバンド名変更などいろいろありましたが・・・


もちろん、バンドとしてのポテンシャルの高さを感じさせる曲も健在。
ノイズ混じりのギターサウンドとボーカルのエフェクトが印象的な「Boo!」。
早口でまくしたてる歌唱と疾走感のあるサウンドに圧巻される「ワンテンポ遅れたMonster ain't dead」。
メタル要素を感じさせるギターリフがカッコいい「Dog3」・・・
彼ららしい遊び心を感じさせながらも、非常に聞きやすい仕上がりとなっています。
メジャー初アルバムという点も含めて、彼らの新たなスタートを感じられました。
[Alexandros]の実力を如実に感じられるアルバムと言っても差し支えない。

全曲レビュー


1.ワタリドリ
伸びやかなギターフレーズが爽快で春らしさを感じさせるロックナンバー。
軽快なドラムのリズムとギターカッティングが聞いていて気持ちいい。
洋平の歌唱も相まって、とにかく爽やか。
どこまでも突き抜けて行くエレキギターのフレーズが圧巻。
全体的にポップなものの、テクニカルなドラムで圧倒する間奏も印象的。

羽ばたくワタリドリの力強さとバンドの決意を重ねた歌詞にも注目。
一番を目指す彼らだからこその前向きさが現れています。

2.Boo!
ノイジーなギターサウンドがシューゲイザーっぽさを感じさせるロックナンバー。
エフェクトのかかったボーカルもいい味を出しています。
メジャーデビューしたからには何事にも屈しないと歌った歌詞も今の勢いがそのまま表れている。

3.ワンテンポ遅れたMonster ain't dead
ギターサウンドのカッコ良さをこれでもかと押し出したロックナンバー。
タイトルに遊び心が出ているんですけど・・・
パンキッシュなドラミングやハードなギター演奏に圧巻されました。
早口でまくしたてる洋平の歌唱も語感の良さがあり、聞いていて心地いい。

4.Famous Day
爽やかなギターサウンドとガッツリと聞かせるベースラインに耳を奪われる。
サビにおけるドラム演奏とのギャップが個人的にたまりません。
ハードなドラミングとうねりまくるベースラインに注目です。

5.Adventure
美メロが心に沁み渡る[Alexandros]らしいミドルチューン。
洋平の歌唱やサビの「Hello」のリフレイン、ギターの紡ぐ旋律にグッと来ますね。
個人的に、イントロからAメロにかけてのギターの掛け合いは必聴。
ギターリフの心地良さと繊細さが同居したサウンドに引き込まれます。
楽曲の持つ美しさを心行くまで堪能したい1曲。

また、前向きな気持ちが歌われた歌詞も印象的ですね。
バンド名が変わっても俺たちの魅力はそのまま―。
むしろ、これまで以上に素晴らしい音楽を奏でてやる。
そんな決意を楽曲そのもので表現しているのが見事。

6.cant explain
ギターのうねりが心地いいロックナンバー。
ラストに向けて少しだけ疾走する展開がたまらない。
「cant explain」のリフレインも語感の良さに繋がっています。

7.Buzz Off (Interlude) 
ライブリハーサルを意識した、セッション的なインスト。
バンドが持つ勢いをダイレクトに封じ込めているのが見事。

8.Oblivion(feat. LITHIUM HOMME)
ピアノの音色が温かさとクールさを感じさせるロックナンバー。
歩き出そうとする少年の背中を押してくれるような、優しさも含んでいます。
何より、サビでの疾走感がすごく前向きなんですよね。
歌い出しにおける洋平のクールな歌唱、シンプルな楽曲も聴きどころ。

9.Leaving Grapefruits
イントロのピアノがオシャレなミドルチューン。
彼らの持ち味である、美メロを堪能できる1曲。
失恋を歌った歌詞もメロディの良さをより引き立てている。

10.Dracula La
軽快ながらも、うねるギターサウンドが印象的。
キャッチーなメロディとクールなギターリフのギャップがクセになる。
掻き鳴らすギターとシンセが絡み合うサビも今までにない開放感を感じる。
「ドラキュラドラキュラ」や「yeah yeah」といったリフレインも耳に残りやすい。
「あなたの虜にして」と歌っている通り、聞く者を虜にするメロディとなっているのが見事。

11.Droshky!
スリリングな展開が印象的なスカパンクナンバー。
洋平の切れ味ある歌唱と楽曲の疾走感がどことなく初期のサウンドっぽい。
それでいて攻撃的なベースサウンドで攻めているのがバンドの決意を感じさせます。
原点を振り返りつつも、しっかりと成長しているのが伺えました。

あと、イントロやバックでうねるベースがとにかくカッコいい。
今回はかなり主張しているように感じますね。
ギターやドラムとの絡み合いも個人的に聞きどころですし。
ラストの畳み掛ける演奏は圧巻の一言。

12.Dog 3
スリリングな演奏が炸裂したロックナンバー。
ギターのカッティングにベースラインのうねり、手数で攻めまくるドラム・・・
メタル要素の強い間奏といい、演奏技術の高さを感じます。
犬を題材にしつつも、カッコ良く仕上げているのが素晴らしい。
遊び心とカッコ良さが同居するこの感覚が彼ららしい佳曲。

13.Run Away
イントロのピアノやギターサウンドが美しさを感じさせるロックナンバー。
「Run Away」というタイトルらしく、走り出す様子を音で表現しているのが見事。
サビの疾走するギターリフと軽快なドラムとか、特に。
ブリッジとアウトロにおけるギターとピアノの絡み合いも必聴。
シンセのサウンドと相まって、個人的にはオシャレさも感じるんですよね。
美メロを上手く活かしているあたりが[Champagne]らしい。

歌詞は現状に満足せず、先へと突き進もうというメッセージが込められています。
4thアルバムで宣言した決意を明確に表現した彼らの新たな一歩を感じる。

14.Coming Summer
アコギの美しい旋律を活かしたロックバラード。
中盤以降の切ないメロディラインにグッと来ます。
壮大さを増していくサウンドも圧巻の一言。
アウトロに「Run Away」のリフが使われている点にも注目。
常に前を目指すんだといった強い決意の表れでしょう。

まとめ

「ALDX」というバンド名を冠したタイトルの本作。
それに恥じない勢いとバンドとしての力量を感じさせる楽曲揃いです。
キャッチーさはもちろん、バンドらしいテクニックを感じさせるロックナンバーまで。
彼らのカッコ良さと実力を堪能できる、まさに名刺的な名盤です。

評価:★★★★★

ALXD

ALXD