高知の片隅でひっそりとJ-POPを語る

高知から音楽(J-POPメイン) やアニメなど、好きなものへの愛を語っていきます。

あまりにも素敵な夜だから/[Alexandros] -素敵な夜だからこそ落ち込んでいられない-

ドラマーのサトヤスが活動を休んでいるのが心配なドロスですが…

本日より配信された「あまりにも素敵な夜だから」は、その心配を吹き飛ばすくらいに前向きさを感じさせるポップナンバーでした。

 

・あまりにも素敵な夜だから

都会的で洗練されたメロディとオシャレなサウンドに引き込まれるポップナンバー。

浮遊感を演出するシンセ、スマートさを与えるドラムのリズムが聞いていて心地よい仕上がり。

それらが影響してか、サビのメロディに懐かしさがあって80~90年代ポップスのような雰囲気を感じられました。

サビ終わりのマイケル・ジャクソンを彷彿とさせる洋平のハイトーンシャウト、ラストの歌唱がそれを物語っています。

 

ギターのリフも絶妙なテンポで奏でられており、思わず身を委ねたくなります。

全体的に楽曲のリズムが素晴らしく、自然と踊りたくなってくるほど。

 

また、Aメロ→Bメロ→サビ→二番目→Cメロ→大サビという王道の構成でありながら、しっかりと心を掴む曲になっているのが見事。

特に、半音上げた大サビの歌唱は思わず圧倒されました。

J-POPではありがちなんだけど、それを上手く取り入れてドロス流のポップスに昇華している印象。

ありがちなことをやって驚かせてくれたのが個人的にポイントだと思います。

 

歌詞も聞く者の背中を押してくれるものになっていると言いますか。

ミスを繰り返して落ち込むこともあるけど、それを忘れるくらいに全力で生きていきたいー。

いっそ、その間違いをプラスに変えられるよう頑張っていこう。

ずっと落ち込んでなんかいられない、強いメッセージを感じずにいられませんでした。

 

・まとめ

洗練されたポップナンバーでありながら、懐かしい雰囲気も漂っているなと感じた「あまりにも素敵な夜だから」。

プラス思考の歌詞と相まって、聞いていると気分が晴れてくる1曲ですね。

力強いメッセージが多いドロスの歌詞ですが、その中でも特に好きなものとなりました。

あまりにも素敵な夜だから, a song by [ALEXANDROS] on Spotify

あまりにも素敵な夜だから

あまりにも素敵な夜だから

  • [Alexandros]
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

Official髭男dism「Traveler」 -旅人が見た様々な景色、それを音楽で-

昨年リリースの1stアルバム「エスカパレード」より一年半ぶりとなる本作。

単なるピアノロックバンドではないことを再確認させる、多彩な楽曲が楽しめた1枚でした。

今の彼らから感じる勢いがそのまま伝わってきます。

 

全体的な感想

メジャーデビュー後初となるアルバム「Traveler」。

タイトルを直訳すると「旅行者」なんですが、それに相応しい音楽性を感じられるポップアルバムとなっています。

ピアノロックを軸にしながらも、ファンク・ジャズ・R&B・ブラックミュージックなど様々なジャンルを吸収して髭男流のポップスに昇華しているのがその表れでしょう。

1曲目「イエスタデイ」で「振り向かず虹すらも越えて行く」と歌い上げてから始まるアルバムの楽曲群は、そう言って出発した旅人が見てきた世界中の風景を想起させるような仕上がり。

そんな宿命を燃やしきって生まれたこのアルバムには、それくらいにバリエーション豊かな楽曲が揃っているのです。

 

あと、リズム感がいい楽曲の多さも特筆すべきポイント。

ハイハットの軽快なリズムと力強いメッセージが見事に重なった「イエスタデイ」、グルーヴィーなロックナンバー「Amazing」、ゆったりとしたテンポのトラックと藤原の美声に身を委ねたくなる「Rowan」、AOR風味のポップさと小気味いいギターリフがたまらない「最後の恋煩い」、メンバー全員によるボーカルワークとピアノとホーンサウンドの晴れやかなサウンドに引き込まれる「旅は道連れ」など、挙げればキリがありません。

アップテンポとミドルテンポのバランスも程よく、違ったアプローチで聞く者に心地よさを与えているのは本当に見事。

旅行者が世界を旅する中で感じたであろう楽しさ、それがしっかり伝わってくるものになっているなと感じました。

 

タイトルになっている「旅行者」の楽しさを自分たちのポップスに昇華して表現した「Traveler」、現代ならではの優しさと熱さを兼ね備えたメッセージも感じられる必聴の1枚です。

 

まとめ

サブスクでの再生回数が圧倒的な勢いとなっている髭男ですが・・・

本作はその勢いに恥じない楽曲の完成度、前向きさを感じさせるアルバム構成が素晴らしいなと感じました。

2019年を代表するJ-POPアルバムを作り上げたと言っていいでしょう。

今後も彼らの活躍を楽しみにしたいところです。

Traveler by Official HIGE DANdism on Spotify

Traveler (初回限定LIVE Blu-ray盤)

Traveler (初回限定LIVE Blu-ray盤)

Perfume「JPN」 -Perfumeの新たな一面(2011年当時)-

Perfumeにとって三枚目となるアルバム「JPN」。

既発曲が9曲でインストを除いた新曲は4曲と、ほぼベストアルバム的な内容になっていたので不安があったのですが・・・

既発曲のアレンジや曲順もあって、聞くまで抱いていた心配は吹き飛んでしまいました。

バッキバキのエレクトロサウンドを薄めにし、J-POPの軽快さを押し出した楽曲が多くなっています。

全体的な聞きやすさが印象的なんですけど、決して手を抜いていないのが伝わってくる仕上がり。

アルバムタイトルの「JPN」に相応しい内容です。

 

特に、出だしの3曲は圧巻で。
厳かな雰囲気の漂う電子音が印象的なイントロトラックの「The Opening」から始まり、mixされてより爽快さの増した「レーザービーム(Album - mix)」、そのまま違和感なくイントロへと繋がる構成に驚かされた「GLITTER(Album-mix)」。

これだけでも既発曲で絞められているアルバムとは思えない仕上がりに感じられました。

今まで聞き倒した曲たちなのに全く違って聞こえる・・・

これぞ、アレンジの成せる技か。

 

「ねぇ」から「VOICE」にかけてのシングル曲4連発も曲順が絶妙でして。
アレンジが全く加えられていないのですが、新曲を聞いているかのような感覚になってしまいます。

オリジナルの良さをぶち壊してないため、より素晴らしく聞こえました。

それらの要因が上手く作用しているためか、聞いている間のワクワク感が止まりません。
新しいことに挑戦しようとする3人とヤスタカ氏が意気投合しているからこそ、こんな素晴らしい作品となったのです。

シングル曲が多いのをカバーすべく、アルバム曲において新しい要素を取り入れたのも好印象。

少しマンネリ化していたものの、進化を続けるPerfumeを感じられた良作です。

 

以下、全曲レビュー

1.The Opening
厳かな雰囲気を演出するシンセがアルバムの幕開けを告げるかのようです。
盛り上がり過ぎないようになっているのも、「レーザービーム」のイントロでインパクトを与えるためなんでしょうね。

 

2.レーザービーム (Album - mix)
いつもよりテクノ色の強いポップナンバーに仕上がっていました。
懐かしさと近未来っぽさが同居したシンセサウンドが同じフレーズを繰り返していて、これが病みつきになるんですね。

イントロとAメロの構成も素晴らしく、曲に引き込まれていくのが見事。

ファミコンサウンドを髣髴とさせるシンセの音色もバッキバキのテクノサウンドにマッチしています。
歌詞の歌い回しが印象的なサビもキュートなので、そこにも注目して聞いてほしい。

自分に注がれる視線をレーザービームに例える女の子の気持ちが描かれた、この曲にピッタリ。

 

 

3.GLITTER (Album - mix)
レーザービームからの繋ぎが絶妙。

アレンジも大幅に加えられており、シングルで聞いた時よりも勢いを感じました。

カッコよさを維持したテクノサウンドとキュートさの融合がこの曲の魅力でしょう。

 

4.ナチュラルに恋して 
最初に聞いた時はとっつき難い曲だと思ったんですが、何度も聞くうちにそうでもないと感じるように。

スローテンポな曲調だけど軽やかでポップなメロディが春らしくていい。

重厚感あるアレンジなのにそう感じさせないのが見事。
なお、歌詞は恋愛に積極的な女の子を描いたものになっています。

タイトル通りの「ナチュラルに、そして大胆」。

 

5.MY COLOR
キラキラしたシンセアレンジが冴えわたるテクノポップナンバー。
ノイジーに鳴らされるトラックも健在で、中田ヤスタカ氏の力量を感じさせます。

 

6.時の針
優しくも、儚げにアレンジされたしっとり目のバラードナンバー。
今までにない雰囲気の楽曲で新鮮に感じました。

短いながらも、インパクトは充分。

 

7.ねぇ 
詞やサウンドはいつものヤスタカ節が炸裂しているといった印象ですが、パンチの効いたトラックが素晴らしい。

音の歪ませ方も絶妙で、重厚感を感じさせるようになっているエレクトロチューンといった感じでしょうか。

 

何より、間奏のサンプリングとサビで繰り返される「ねぇ」の繰り返しが耳から離れない。

単純だけど、それこそが中毒性を増す要因になっているのです。

もちろん、踊ることを意識したエレクトロサウンドも一役買っているのでしょう。

キラキラしたアレンジもこれから来たる冬にはピッタリな感じで、PVともマッチしているのがすごくいい。

 

8.微かなカオリ 
テクノ成分を抑え目にして真っ直ぐな恋の気持ちが描かれた可愛らしいポップソング。
Perfumeらしさはあまりないけど、ストレートな構成の楽曲と歌詞が恋する女の子の素直な気持ちを表現しているかのようです。

間奏やAメロ・サビにおけるキーボードとアコギの優しい音色もアクセントになっているので聞きやすい。

サビにおける3人の歌唱(声が変わっていく箇所が圧巻)も印象的。
それでいて、ヤスタカ節を感じさせるビートが効いているのが素晴らしい。

Perfumeの新たな魅力を引き出してくれたといってもいいでしょう。

 

9.575 
ミディアムテンポのテクノポップながらも、バックのシンセサウンドが和の雰囲気を感じさせる一風変わったナンバー。

ラップが入っていたのにはビックリしましたが、これも彼女らの可愛さを表現しているって事なんでしょうか。
歌詞は「5・7・5」を意識して作られているのが面白い。

それでいて違和感がないというのがすごいというか。

 

10.VOICE 
いつものヤスタカ節が炸裂したエレクトロサウンドながらも、中華風アレンジが施されていて新鮮に感じました。

そのおかげでテクノポップさがより強調されていると思います。

ベースとなるディスコビートの刻むリズムもいい感じになっていて、歌声もあまりエフェクトがかかってなくて聞きやすい曲に仕上がっている印象。

Cメロからラストに向かう箇所の展開もグッド。

 

11.心のスポーツ
シンセの適度なピコピコ音がレトロさを感じさせるアイドルポップス。
サビで解放感に満ちた展開へと移行する瞬間が爽快で三人ならではの魅力を引き出しているように感じました。

可愛らしく歌われているのも印象的。

 

12.Have a Stroll
軽やかな打ち込みビートがキュートに刻まれるポップソング。

シンセの音色が爽やかさを演出すると同時に近未来的な雰囲気を感じさせます。

この浮遊感がたまらない。

「ないの~」と脱力気味にリフレインされる箇所も印象的。

 

13.不自然なガール

攻めの姿勢を感じられるエレクトロサウンドが印象的なアップナンバー。

打ち込みの力強いディスコサウンドは相変わらずの中毒性があります。
歌詞に描かれた恋愛に対して受け身になっている女の子の姿も印象的。

 

14.スパイス
ハウスミュージックの要素を取り入れたテクノポップナンバー。
派手にならない曲展開が3人の大人っぽさを押し出していて普段と違う印象を受けました。

ここ数曲続いていたJ-POP調のアレンジを打破するかのような楽曲に仕上がっているのが見事。

楽曲の表情も実に豊かで、シンプルながらも新たな魅力を感じることが出来る1曲。

 

まとめ

テクノポップユニットとして勢いに乗っているPerfume
本作は2011年当時の勢いに満ちた彼女たちを表現しきった1枚と言えるでしょう。

大人っぽさを引き出した「スパイス」をラストに持って生きていたことで、今後の活動に向けての決意も感じられました。

鬼頭明里「Swinging Heart」 -新しいことも全力で楽しもう-

まちカドまぞくの千代田桃やブレンド・S夏帆などを演じる人気声優・鬼頭明里さんが10月16日発売の「Swinging Heart」でアーティストデビューしました。

 

キャラソンでの安定した歌唱と表現力が印象的な彼女ですが、デビューシングルでもそれを感じさせるものとなっています。

 

収録曲レビュー

1.Swinging Heart

新しいことが始まる瞬間のワクワク感・・・

それも含めて楽しみたい気持ちを程よくポップなメロディと歌詞で表現したガールズロック。

勢いよく駆け抜けていくようなギターサウンドとそれに乗っかる鬼頭明里さんの歌声は聞いていて非常に心地よい。

サビで聞ける元気で力強い歌唱も歌詞のメッセージ性を増幅させています。

「行くよ!」や「行こう もっと先へと」というフレーズが示す通り、どこまでも伸びていく印象を与えてくれました。

新しいことに挑戦するのは不安でも、前に前に進んでいきたいー。

ポジティブな歌詞も含め、デビュー曲に相応しい1曲です。

 

2.dear my distance(アニメ「超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!!」ED曲)

ピアノとバンドサウンドの美しいメロディが心に響くロックバラード。

デビューシングルのカップリング曲でありながら、壮大なサビをしっかりと歌いこなしている印象で見事に引き込まれてしまいました。

曲の存在感に負けてしまうのかと思いきや、安定した歌唱で聞かせているのは見事としか言いようがないですね。

 

長い時間をかけてでも君に会いに行く・・・

君への強い想いが描かれた歌詞の壮大な世界観も歌で表現しているのは声優アーティストならではでしょうか。 

 

3.Always Going My Way

ノリノリのサーフロックを彷彿とさせるメロディと掛け声がゴキゲンなロックナンバー。

軽快なテンポと前向きさを感じさせる歌唱に元気を貰える仕上がり。

まだ知らない自分と出会うために進んでいこうと歌った歌詞も印象的。

鬼頭明里さんのアーティストデビューに対する決意を感じられる1曲。

 

まとめ

これがアーティストデビューとは思えない歌唱の存在感を感じられる仕上がりとなったシングル「Swinging Heart」。

ここ最近はアーティストデビューする声優が多く、正直お腹一杯に感じることもあったのですが・・・

そんな私も鬼頭明里さんの力強く真っ直ぐな歌唱に惹きつけられてしまいました。

水瀬いのりさんのデビューシングルを聞いた時と同じものを感じられたと言いますか。

これからのアーティスト活動を楽しみにしたいですね。

https://open.spotify.com/album/3qNDzkJQhvwgREDPtioUee?si=Tb2t0wjoTvKIk_a2CdfRug

星野源「Same Thing-EP」 -星野源がこれをやるからこそ面白い-

2019年は音源のリリースがないまま10月を迎えた星野源

そんな中、いきなり新作「Same Thing-EP」を発表することが決まりましたが・・・

 

配信限定という形もさることながら、彼の新たな挑戦や決意が垣間見える4曲が揃った作品となっています。

 

  • 以下、収録曲レビュー 

1.Same Thing(feat.Superorganism)

ゆったりとした打ち込みビートのリズムが心地よいポップナンバー。

拙いながらも楽しんでいる感が伝わる星野源さんの英語、シンセやアコースティックギターの音色もほどよくリズミカルな印象。

英語詞なのですぐにメッセージは入ってこないものの、聞いていて楽しくなる仕上がり。

 

特に、「wabisabi~」から始まるCメロのやりたい放題感に脱帽。

肩の力が抜けるほどに拍子抜けするくらい気だるげな歌唱、ノリノリの掛け声・・・

それまでのリズミカルで力強い印象をぶっ壊す脱力感たっぷりな展開はいい意味で期待を裏切っている印象。

「侘び寂びめちゃくちゃにしよう」という歌詞のままに、J-POPの枠を超えたい彼の決意も感じられました。

洋楽ポップスを意識したメロディやCメロの展開が示す通り、音楽におけるジャンルの壁をぶっ壊そうとせんほどの勢いに満ちています。

 

2.さらしもの(feat.PUNPEE

オシャレなピアノによる洗練されたトラックが印象的なヒップホップ。

星野源PUNPEEによるラップの掛け合いは非常にリズミカルで心地よい。

日常の情景を描きつつ、さらしものだけの愛も夢もあると歌った歌詞に何だかグッときます。

自分の人生が人より大したことないと感じていても、人を愛したり夢を持つことは出来るー。

そっと背中を押してくれるようなメッセージを感じました。

 

何気に「Same Thing」へと繋がるフレーズの存在にもニヤリ。

 

3.Ain't Nobody Know

トム・ミッシュとの共同プロデュースによるエレクトロポップス。

シンセとゆったりとしたベースラインが織りなすトラック、星野源のしっとりとした歌唱がたまりません。

メロディもとにかく洗練されていて、まるで最先端のR&Bとも言える仕上がり。

どこかのカフェでしれっと流れていそうなイメージなんです。

個人的にインストバージョンも聞いてみたい、それくらい好みの1曲。

 

4.私

星野源の原点を彷彿とさせる、シンプルな弾き語りナンバー。

聞き手にそっと寄り添ってくれるかのような優しい歌唱は暖かい気持ちになれます。

心が痛むことをするより楽しい・面白いことをしようと語りかける歌詞も印象的。

聞き終わった後、心が優しい気持ちでいっぱいになりました。

今の荒んだ時代にこそ、歌う意味がある1曲だなと感じます。

 

何より、「Same Thing」のラストナンバーを飾っているのが素晴らしい。

変わっているようで変わっていない、ありのままの星野源がそこにいるのです。

 

  • まとめ

リリース形式、初となる試みを感じられる楽曲群・・・

星野源のさらなる野心や挑戦が伝わってくるものとなっていました。

それでいて、「私」が弾き語りナンバーになっていたりと根本的な部分は変わっていないというのもしっかりアピールしている印象。

「恋」で大ヒットを経験した星野源がやるからこその面白さを感じられる作品です。

Same Thing - EP

Same Thing - EP

彗星/小沢健二 -過去を振り返り、素晴らしい未来へ-

13年ぶりのニューアルバムを発売することが決まった小沢健二

同時に新曲「彗星」も配信が始まりました。

 

オザケンの歌唱、優しくも洗練されたサウンドに心が満たされる極上のポップスです。 

 

・彗星(11月13日発売「So Kakkoii 宇宙」収録)

都会的で洗練されたオルガンの音色から始まるイントロ、軽やかなリズムが心地よいシティポップ。

バックでリズムを刻むパーカッションやドラム、サビと間奏に彩りを添えるストリングス・ホーンの音色・・・

それらによる優しくてオシャレさを感じさせるサウンドは安定のオザケンらしさに満ちています。

グルーヴ感含めてすごく輝いていると言いますか、楽曲から感じる多幸感がたまらない。

 

後半での転調、そこで子供たちのコーラスが入ってくる展開にもグッと来ます。

聞いていて優しい気持ちになれる、これこそ珠玉のポップスと言える仕上がり。

 

2020年を前にこれまでを回想するかのような歌詞も印象的。

阪神淡路大震災地下鉄サリン事件など辛い出来事が目立った95年の冬・・・

偽装問題の多発で何が本当なのかわからなくなった00年代。

それらを乗り越えてある今、そして迎えようとしている2020年。

どの年もとてつもない速さで時が過ぎていったのではないでしょうか。

辛い時期も絶好調な時期も長い人生の中で見ればほんのわずかな時間で。

今、そして未来へと繋がっていくのはそれらの積み重ねがあるからだと思います。

 

よりよい未来のために今を大切にー。

新しい年代を前に過去を振り返って未来へと向かう、そんな意思を感じる1曲です。

彗星, a song by Ozawa Kenji on Spotify

彗星

彗星

  • provided courtesy of iTunes

傘/King Gnu -失恋の悲しみを忘れたい-

1月に発売された「Sympa」から8月リリースの「飛行艇」まで、安定したヒットを生み出しているKing Gnu

そんな彼らが10月11日に第三弾となる配信限定シングル「傘」を発表しました。

 

既にアルフォートのCMでもオンエアされてますが、スタイリッシュな楽曲とは裏腹に失恋の悲しみを忘れたい気持ちが描かれた歌詞が印象的なナンバーです。

 

・傘(アルフォートCMソング)

アコースティックギターによるスタイリッシュなカッティングとヒップホップ的なスクラッチ音のイントロから持っていかれる1曲。

全体的にR&Bポップスを意識した感じとなっていて、リズムが軽快でとにかく心地よい。

AメロはもちろんBメロとサビ、アウトロに至るまで徹底してオシャレさを作り出している印象。

いつも以上にしっとりした井口のボーカル、程よく威圧的な常田のボーカルによる掛け合いは少しずつ降り出す雨をイメージさせてくれます。

ツインボーカルならではの魅力がここに来てより実感できたと感じました。

 

また、歌詞に描かれているのは失恋した悲しみを忘れたい気持ち。

それを強くなる雨に例えて表現してるのもあって、凄く吹っ切れた感情を感じずにいられません。

ラストサビのギューンとうなるギターサウンドでそれを増幅させているのも見事。

前作「飛行艇」といい、歌詞とメロディの調和性が相変わらず素晴らしい。 

 

リズムの良さを前面に押し出しつつ、失恋の悲しみを忘れたい気持ちがしっかりと感じられる仕上がりとなった「傘」。

程よい軽快さがかえってそれを増幅させるようになっていて、配信リリースされたKing Gnuの楽曲でも一番好きな曲となりました。

傘, a song by King Gnu on Spotify

傘

  • provided courtesy of iTunes