高知の片隅でひっそりとJ-POPを語る

高知から音楽(J-POPメイン) やアニメなど、好きなものへの愛を語っていきます。

4/12 今日の1曲 ケツメイシ「さくら」

少し散りかけですが、今は桜が綺麗ですね。

今年も楽しんで来ました。
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さて、今日はケツメイシの「さくら」をご紹介。

この季節らしい儚さが漂うメロディに心を奪われる1曲です。

 

ケツメイシ「さくら」

ピアノとストリングスの美しいサウンドによるトラックが桜の季節を表現しています。

軽快なリズム、和の音階をイメージしたフレーズも印象的で春らしさを感じました。

桜の季節に恋をした思い出を歌った歌詞の切なさをより引き立てているのが見事。

毎年同じ時期に花を咲かせる桜だからこそ、その記憶が鮮明に甦ってくるんでしょう。

サビの終わりにある「ヒュルリーラ」のフレーズ、ラストの「花びら舞い散る」で曲の儚さを増幅させているようにも思います。

 

今や桜の季節を代表する定番曲になった印象が強いですが。

だからこそ、毎年聞きたくなるんだろうなと感じましたね。

 

 

サカナクション「DocumentaLy」-生々しい想いをサウンドで表現-

山口一郎が苦悩の末に生み出した傑作。

自身が感じた心情を生々しく描き切った歌詞は圧倒的。

メロディに関しても、新たな試みが見られました。

 

・全体的な感想

これまでの作品以上に山口一郎の心理描写を楽曲として表現できているように感じました。

活動の拠点を北海道から東京へと移してから感じた孤独や閉塞感などが描かれており、全体的に暗い作風になっているのが印象的。

それを収録されている楽曲にも反映させているのが見事。
特に、「モノクロトウキョー」はその影響が出ていますね。
Aメロからサビにおける山口一郎の暗い歌唱と抜け切らない曲展開によって、東京で感じた孤独感や閉塞感を表現しています。

サビでシンセやギターサウンドを爆発させる曲展開になっていることを考えると、立ちすくんでいるだけじゃいられないという前向きな決意も含まれているように感じました。

 

その他の曲に関しても、一郎が感じた苦悩などの心理が反映されています。
ラテン要素を吸収した新しいサカナサウンドに自身の存在意義を問いかけた歌詞を載せて歌う「アイデンティティ」。

部屋に取り残された状況(孤独とも言える)の中で誰かに行かないでと切実な気持ちを訴える「ルーキー」。

自分が見せる笑顔は仮面でしかない苦しみが描かれた「仮面の街」。

自分の意志とは裏腹に空回りしてしまう心をアコギとシンセによるシンプルながらも深みのあるサウンドで表現した「流線」。

人が抱える苦悩は終わることがない様を歌った「エンドレス」。

聞きなれた旋律だけど何かを感じることの大切さを歌った「バッハの~」など・・・

実に生々しい感情がむき出しになっています。

しかし、エレクトロを基調として深みが増したサウンドに乗せているため、聞きやすさは健在。

シンセの音使いや浮遊感の演出なども技巧的になっており、息を飲むばかり。


ラストの「ドキュメント」が素晴らしく、ギターの切ないサウンドとシンセサウンドが壮大な音世界を作り上げています。

民族楽器を髣髴とさせるシンセサウンドも印象的。

ラストが愛の歌 歌ってもいいかなって思い始めてるってなっているのも、前向きさを感じさせてくれました。
まさに、タイトル通りの「DocumentaLy」と言える名盤に仕上がっています。

 

・まとめ

サウンドや歌詞で新しい試み(「流線」のインストにも近い雰囲気は印象的)を感じさせてくれたサカナクション

今までの要素を活かしつつ、さらに深化を遂げているようでした。

エレクトロやテクノを基調としたスタイルから、もう一歩踏み出そうとしているのでしょうね。

今後も楽しみなバンドです。

 

DocumentaLy(通常盤)CD

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Base Ball Bear「新呼吸」-繰り返す日常の中にある変化-

明日に向けての希望や不安を見事に描き切った傑作。

 

・全体的な感想

昨年の3.5thアルバムを経てリリースされた4thアルバムとなる「新呼吸」。
彼らにしては珍しく、時間というコンセプトに沿った作品に仕上がっています。
歌詞の中に朝や昼などの情景が描かれており、日々繰り返す日常を表現しているように感じました。
いつも何気ない日常を送っている私たちなんですが、新しい明日には何らかの変化を望んでいるんですよね。
誰もが思うであろう気持ちを代弁している内容が印象的。
何事もなく終わった日もあれば、落ち込んでしまう日もある。
それだけじゃなく、過去を懐かしんでノスタルジックな感傷に浸る日だって・・・
そんな日々を重ねて成長していく人の姿を音楽で表現した1枚と言えるでしょう。今の彼らにとって、集大成的な作品です。
同時に、ボーカルの小出祐介が自分自身の日常に重ねて作り上げたようにも感じたのが見事。

演奏面やサウンドに関しても、毎回のように驚かされます。
本作はギターロックを基調にしつつも、彼らの持ち味である特有のポップさがより洗練されているように感じました。
小気味いいギターリフやベースライン、力強いドラムのリズムなど・・・
本当に研ぎ澄まされていて、ただただ圧倒されるばかり。
シンプルでありながらも、深みを増したベボベサウンドを堪能出来ます。

 

・お気に入り曲のレビュー

2.ダビングデイズ
乾いたギターリフと力強いドラムサウンドが織り成す、リズム感のいいメロディが印象的なギターロックナンバー。
ベボベらしさを維持しながらも、同じ繰り返しの日々を送ってばかりの自分に対する鬱憤をぶちまけた歌詞が痛烈。

3.school zone
あの頃の青春を懐かしむ感情を描いた歌詞と真っ直ぐなギターサウンドが心に沁みてくる1曲。
青春をテーマにしている点では変わらないんですけど、思い出に浸っている大人の視点で描いているのが新鮮。
サウンドといい、大人になったのを感じさせてくれました。

5.スローモーションをもう一度
過去の甘い恋愛模様に浸っている気持ちを描いた歌詞が印象的。メロディの安定度は相変わらずって感じかな。
個人的には、間奏のギターソロが秀逸ですね。過去に浸っているかのような浮遊感を演出しているのが見事。

6.short hair
爽やかポップに振り切ったベボベ流の青春ソング。
駆け抜けるかのようなギターリフは聞いていて気持ちが良く、どこか切なさを感じさせてくれるのが印象的。
乱打されるドラムも歌詞とマッチしていていい感じ。

7.Tabibito In The Dark
ツインギターによる絡み合いが実に絶妙な1曲。
Aメロからサビまでの流れが素晴らしい。
サビでの盛り上がりやギターリフもカッコいいですが、ダンスロックを意識しているのが個人的にはツボ。
何もかも忘れて踊り狂えって歌うサビも印象的。

11.yoakemae (hontou_no_yoakemae ver.)
ストレートなギターサウンドによるギターロックナンバー。
実験的要素が強すぎた前2作のミニアルバムを経たこともあってか、このシンプルさが際立っている。
アウトロのギターリフで聞かせようとしている以外に特筆すべき点はないんだけど、王道とも言える1曲でしょう。
夜明け前をテーマにしている歌詞も、新しい一日への希望と不安が同居した気持ちを描けていると思います。

 

・まとめ

「時間」というコンセプトに沿って作られた本作。
シングル曲も含めて、テーマが一貫されているのが見事だと感じました。
作品としてのまとまりは今まで以上かもしれません。

 

新呼吸 (通常盤)

新呼吸 (通常盤)

 

 

くるり「THE PIER」 -音楽で表現した「旅」-

自身が見た世界。

それをポップミュージックで表現した良作。

 

・全体的な感想

アルバムをリリースする度に作風が変わることで有名なくるり

彼らの11作目となるアルバム「THE PIER」は異国情緒を感じさせる仕上がりです。

ヨーロッパの民族音楽や歌謡曲に日本の祭囃子、はたまた中東の要素など・・・
それらを取り入れ、音楽で世界一周旅行を表現したスケール感があります。
曲ごとに情景が浮かんでくるのが見事なんですよね。
聞いていると世界を旅しているかのような感覚を味わえます。
それでいて、ポップミュージックの良さも同居させている。
「音を楽しむ」=音楽であることを改めて再確認出来ました。
自由に表現を続けるくるりらしさが発揮された良作です。

 

・全曲レビュー

1.2034

旅の幕開けを告げるかのようなインスト。
ピアノの美しい音色、重みのある打ち込みサウンドが程よい緊張感に満ちています。
出発する前のワクワクと同居する不安さを表現しているのが見事ですね。

 

2.日本海
日本海の荒波を力強く表現したくるり流の歌謡ロック。
うねるベース、シンセやトランペットの音色が雰囲気を感じさせます。
「なう」だけで構成されたサビがどことなく哀愁に満ちている。
ロシア音楽のフレーズもこっそり入れているのが何とも。

 

3.浜辺にて
アラビア感漂うギターフレーズが印象的なロックナンバー。
リズムの良さを重視したベースラインに聞き入ってしまいます。
岸田繁の歌唱も聞き所ですね。

 

4.ロックンロール・ハネムー
昭和の香りと現代のポップミュージックを融合させた1曲。
駆け抜けるドラムビートが心地良く、多幸感に満ちています。

 

5.Liberty&Gravity
お祭りのリズム・アラビア民謡の要素やラップを取り入れた、本作を象徴するナンバー。
目まぐるしく変わっていく曲調が自由な彼らの音楽性を表現しているかのよう。
ごちゃごちゃしているけど、全体的にポップの良さを押し出していて好きですね。

 

6.しゃぼんがぼんぼん
ハードなギターサウンドで攻めるロックナンバー。
「しゃぼんがぼんぼん」というサビの語感の良さが印象的。
あっという間に駆け抜ける楽曲も聞いていて爽快ですね。

 

7.loveless
王道的なUKロックの雰囲気を感じさせるロックナンバー。
壮大さを感じさせるギターサウンド、力強いドラムが印象的。
シンプルに楽曲の良さを感じさせる仕上がりです。

 

8.Remember me
アコギの美しいメロディラインが光るバラードナンバー。
楽曲を彩るトランペットやストリングスの音色、楽器を活かす美しいメロディ・・・
シンプルな構成だけど、心の奥底に入って来ます。

 

9.遥かなるリスボン
ポルトガル民謡を髣髴とさせるナンバー。
アコーディオンとアコギの音色がヨーロピアンな仕上がり。
楽曲を支える心地いいベースラインにも身を委ねたくなってしまう。
岸田繁の深みある歌唱と相まって、曲の世界に引き込まれてしまいます。
個人的に聞いていると旅をしたくなってくる、そんな1曲。

 

10.Brose&Butter
異国チックなアコギのメロディラインと打ち込みサウンドが心地いい。
語感の良さも含め、不思議なポップ感が生まれています。
歌詞から漂うティータイム感も印象的。

 

11.Amamoyo
小気味良く刻まれるギターリフが印象的。
ベースラインと相まって、心地いいポップミュージックになっています。

 

12.最後のメリークリスマス
鈴やアコーディオンの音色がクリスマスの雰囲気を演出するポップミュージック。
歌詞で別れを歌いくるりらしさを感じさせつつも、華やかなサウンドに仕上がっています。
ラストで讃美歌のコーラスを入れているのも印象的。
どこか切ないけど、聞いているだけで温かくなれそうな1曲。

 

13.メェメェ
ヤギの鳴き声をサウンドの一要素として取り入れたインスト。
どこか不思議な感じに仕上がっているのが本作らしい。

 

14.There is (always light)
軽やかなギターサウンドを活かしたポップナンバー。
温かみの感じられるメロディが心に沁み渡ります。
サビにおける英語詞が異国っぽさを演出する本作ならではか。
前向きな歌詞のメッセージにも注目してほしい。

 

・まとめ

ロックはもちろん、他国の民謡や歌謡曲など・・・
いろんな音楽的要素を取り入れた本作。
自由な発想でくるり流の世界一周旅行を表現した一枚です。
彼らの広い音楽性を実感できる良作。

 

THE PIER (通常盤)

THE PIER (通常盤)

 

 

音楽的雑感「ポップの良さを重視している理由」

・なぜポップの良さを重視するのか?

 

私が曲の良さを判断する上で大きな要因となるのが「とっつきやすさ」なんですね。
アーティストらしさが発揮された曲でも、聞きにくいとそれだけであまり聞かなくなります(^^;
聞きやすいってのは音楽を聞く者としては意外に大切なんですよ・・・
私がポップの良さを重視している理由を以下にまとめてみました。

 

1.単純に心地いい

メロディがポップだとすごく聞きやすいんですけど。
その大きな要因が心地よさだと思うんですよね。
ギターリフやベースラインだったり、ドラムのリズムなど。
これらがいいリズムを奏でていると聞いていて気持ちがいいんです。
ロックやパンク、エレクトロニカやフォーク。はたまたアニソンでも・・・
その要素が入っていれば何度でも聞きたくなってしまいます。
最近の曲だと星野源さんの「恋」が非常にキャッチーですね。
テンポのいいリズムを軸に展開するメロディが軽快で心地いい。
覚えやすいサビ、オリエンタルな雰囲気を演出する二胡の音色…
2016年を代表する曲になったのも頷けます。

 

2.親しみやすいメロディになっている

どのジャンルでもポップの良さを感じられると聞きやすいのは上で書いたんですが。
その場合、親しみやすいメロディになっていることが多いんですね。
それでいて何度も聞けるメロディの良さも兼ね備えているとなおいいかと。
個人的には、スピッツの「ロビンソン」がそれに該当します。
シンプルかつ良質なメロディラインが秀逸。

最近だと[Alexandros]の「SNOW SOUND」も外せません。
90年代J-POPの要素を感じさせるシンセサウンドがとにかく印象的。
シンプルなリズムを刻むドラムもメロディの親しみやすさに貢献しています。

 

・まとめ

なぜポップさを重視するようになったのか改めて考えてみたのですが・・・
やはり、聞いた時の心地良さが大きいんでしょうね。
バラードでもリフやドラムのリズムが良ければ何度でも聞いてしまいますし。
自分にとって、音楽のポップさはなくてはならないものだなと改めて感じました。

indigo la End「幸せが溢れたら」 -美しくも儚い音世界-

儚くも甘酸っぱい恋愛模様・・・
それを美メロギターロックで表現した良作。

 

・全体的な感想

ゲスの極み乙女。」の川谷絵音を中心としたindigo la Endのメジャー1stアルバム。

あっと驚く展開や演奏で聞かせるゲス極に対し、こちらはメロディを大切にしている印象。
儚いギターフレーズや親しみやすいメロディのポップソングが多いんですよね。
過去の恋愛を歌った歌詞も含め、甘酸っぱさを感じる良質のポップアルバムに仕上がっています。

優しさを感じさせる川谷絵音の歌唱や感情豊かに鳴らされるギター、ベース、ドラムの演奏・・・
その全てが恋愛していた自分を表現しているんです。
好きという気持ちに素直になれない自分へのもどかしさ、過去に浸る自分。
でも、いつまでも過去にすがりついてばかりじゃいけないわけで。
ラストの「幸せが溢れたら」では、次へと進む前向きな感情が歌われています。
過去の恋愛を甘酸っぱく歌いながらも、力強さも表現しているのが印象的。

そんな甘酸っぱい世界観が確立されているのは、メロディを大切にしたからなんでしょうね。
シンプルでありながらも、美メロギターロックとしても楽しめる1枚。

 

・特に気になった曲をレビュー

4.心ふたつ
美しく切ないギターサウンドが心に響くミドルチューン。
過去の恋愛に浸る歌詞がメロディの良さをより増幅させています。
間奏における感情豊かなギターフレーズもグッと来るものが。

 

・まとめ

過去の恋愛を甘酸っぱく歌い上げた良質のギターロックアルバムとも言える本作。

メロディの良さに重点を置いているからこそ、何か来るものがあるんだと思います。
感情豊かな表情を見せるギターフレーズがとにかく儚いんですよね。
優しい川谷絵音の歌唱といい、作品の世界観を壊していないのが見事。

 

幸せが溢れたら(通常盤)

幸せが溢れたら(通常盤)

 

 

高橋優「この声」-声で伝える想い-

厳しくも聞く者の背中を押してくれるメッセージアルバム。

 

・全体的な感想

前作「リアルタイム・シンガーソングライター」から約1年ぶりとなる本作。
2ndアルバムでも、変わらず世の中に対するメッセージを歌っています。
世の中に対する怒りや不安が主なんですけど、希望も感じさせるのが彼らしい。
それは安っぽい言葉じゃなく、現実を見据えた上でのメッセージなんですよね。
あえて社会の厳しさも歌いつつ、同時に生きていこうと力強く歌っている。
まさに今を生きる人々へと向けられたアルバムなのです。

楽曲自体もすごく聞きやすいといいますか。
複雑さを排除したシンプルなメロディーなので、歌詞もすんなりと入ってくる。
アルバムに込められたメッセージを最大限に伝えるため、計算されているのでしょうね。
高橋優さんの声も力強く、感情が伝わって来ます。

 

・全曲レビュー

1.序曲
ギターノイズから始まるロック的なイントロナンバー。
アコギを掻き鳴らしながら歌う高橋優さんですが、彼の歌詞はメッセージ性が強い。
ある意味でロックとも言える、そんなアルバムの幕開けにふさわしい1曲。

 

2.蛍
「序曲」の流れから続く高橋優流のロックナンバー。
パンチの効いたロックサウンドが印象的で、彼の力強い歌唱にもマッチしています。
世の中への怒りや疑問をストレートに綴った歌詞も心にグサっと来ます。

 

3.誰がために鐘は鳴る 
聞く者を優しく包み込むギターのリフやストリングスが印象的。
美しいメロディが素晴らしいの一言です。
夢を追い続ける人を応援する歌詞と相まってか、じんわりと沁み込んくるんですよね。
どんなに苦しい状況でも、明日を信じて進み続ける・・・
前を見ることが大事なんでしょう。

 

4.雑踏の片隅で 
アコギの心地いい旋律、ハーモニカの爽やかな音色がいいアクセントになっています。
希望を感じさせる歌詞が印象的なんですけど、現実を見据えた上で歌っているのが斬新。
社会の嫌な面も歌っているために単なる綺麗ごとで終わっていない。

だからこそ、以下のフレーズが映えるんです。
誰以上でも誰以下でもない 僕らの道は明日へと続く
なけなしの愛情を振り絞り それぞれのゴールを目指して
何と言いますか、全体的に歌詞が圧倒的。

 

5.気ままラブソング 
軽快なギターリフがコミカルさを感じさせる、高橋優らしいラブソング。
楽しむときには目いっぱい楽しもう、歌詞からはそんな気持ちが伝わって来ます。
いつまでも気張ってばかりいても疲れてしまう・・・
だから、気ままに楽しみましょう。

 

6.あなたとだから歩める道 
「あなた」への想いを真っ直ぐに綴ったラブソング。
感謝の気持ちも織り交ぜた歌詞が素晴らしく、他のラブソングとは一線を画しています。
「好き」だとか「愛してる」などのありふれたフレーズを使用していないのが好印象。

 

7.卒業
過去からの脱却―。
それが高橋優の「卒業」という曲に込められたメッセージなんでしょうね。
ずっと過去に捉われていても何も変わらない・・・
だったら、一歩踏み出してみようじゃないか。
そこには素晴らしい今があるから。

でも、決して過去を否定しているわけでもないんです。
どんな昨日さえもあってよかったと讃え合おう 呆れるほど
過去があったからこそ、今の自分に繋がっているのですから・・・

ピアノとストリングスによって構成された美しいメロディも印象的です。
高橋優さんの感情を込めた歌い方にも心を掴まれました。

 

8.この声
高橋優さんの真骨頂とも言える弾き語りナンバー。
ハーモニカの哀愁漂う音色がいい意味での素朴さを生み出しています。
シンプルだからこそ、響くものがある。

 

9.一人暮らし 
一人暮らしで感じる様々な感情を歌ったミドルソング。
アコギのシンプルなサウンドのおかげで歌詞がすんなりと入ってきます。
日常を描いているだけあって、どの歌詞も共感してしまう。
なかなか侮れない1曲。

 

10.誰もいない台所 
彼が路上時代に歌っていた曲をリテイクしたものですね。
別れた時の辛さを歌っているだけに、サビで連呼される「会いたい」が切ない。
君といた時間がいかに楽しかったかってのを歌っているんでしょう。
ピアノとストリングス、アコギによる優しいメロディが包み込んでくれる1曲。

 

11.蓋 
休日くらいは誰にも邪魔されず自由に過ごしたい―。
誰しもが思う気持ちを代弁したポップソングに仕上がっています。
でも・・・
人間、結局のところは自分優先な生き物でして。
そんな醜い一面を歌っているようにも感じました。

 

12.絶頂は今
叫ぶかのように歌う高橋優さんの歌唱が印象的なギターロック。
疾走感のあるバンドサウンドが実に爽快。歌詞もガツンとぶつかってきます。

 

13.セピア
最後を飾るにふさわしいバラードナンバー。
ピアノを基調とした美しいメロディで後半に向けて盛り上がっているのがいいですね。
高橋優さんの優しい歌唱にも心を奪われてしまいます。

ずっと僕らの絆 消えないように・・・
笑顔のさよならにしよう
進路の都合などで遠くに離れることになっても笑顔でさよならをしよう。
絆があればまた会えるのですから・・・

 

・まとめ

前作「リアルタイム・シンガーソングライター」から1年足らずでリリースされた本作。

歌詞の世界観も研ぎ澄まされ、高橋優らしさも増しているように感じました。
彼の熱いメッセージを感じとりながら聞いてほしい1枚です。

 

この声(通常盤)

この声(通常盤)